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体と健康

仕事中のけがと労災|健康保険を使ってはいけない理由

美容の現場で対象になりうる例、受診の順序、店が協力しない場合の請求方法。業務委託が対象外である点も整理します。

VANNA Recruit 編集部公開:更新:

この記事で分かること

  • 保険料は事業主負担で、アルバイトも対象になること
  • 業務が原因のけがに健康保険を使ってはいけない理由
  • 店が協力しない場合でも本人が請求できること
  • 業務委託は原則として対象外であること

仕事中にけがをした。薬剤で手が荒れた。無理な姿勢で腰を痛めた。通勤の途中で転んだ。

これらは、労災保険の対象になる場合があります。制度を知らずに自費で払っている人がいます。

労災保険とは

業務が原因のけがや病気、通勤中の事故を補償する制度です。労働者を使用する事業は、原則としてこの保険の適用を受けます。

保険料は事業主が負担し、労働者の負担はありません。アルバイトやパートでも、労働者であれば対象になります。

「うちは入っていない」は通らない

事業主が手続きをしていない場合でも、労働者が保護されないわけではありません。未手続きの間に起きた事故についても、給付が行われる仕組みがあります。

だから、まず申し出てください。判断するのは店ではなく、労働基準監督署です。

対象になりうるもの

美容の現場で実際にありうるのは、次のようなものです。

区分
シザーやカミソリで指を切った業務中のけが
薬剤による皮膚の疾患業務が原因の病気
無理な姿勢による腰痛業務が原因の病気
濡れた床で転倒した業務中のけが
通勤の途中で事故に遭った通勤による災害

いずれも、業務との関連が認められるかが判断の分かれ目になります。

手荒れも対象になりうる

薬剤に触れる業務が原因で発症した皮膚の疾患は、対象となる場合があります。自己判断で諦めないでください。

判断は個別の事情によるため、相談してみる価値があります。対策は美容師の手荒れを防ぐにまとめています。

腰痛も対象になりうる

業務が原因と認められる腰痛は、対象となる場合があります。ただし、加齢による変化との切り分けが必要になります。

早い段階で受診し、記録を残しておくことが重要です。対策は立ち仕事の負担を減らすにまとめています。

健康保険は使わない

ここを間違える人が多くいます。業務が原因のけがや病気には、健康保険は使えません。労災の手続きをするものです。

受診のとき、窓口で「仕事中のけがです」と伝えてください。

受診の順序

まず、けがや症状が出たら、その場で店に伝えてください。次に、医療機関を受診します。

そのとき、業務中のものであることを必ず伝えてください。後から切り替える手続きは、手間が増えます。

労災指定医療機関だと簡単

労災の指定を受けている医療機関では、窓口での支払いが不要になる扱いがあります。近隣の指定医療機関は、都道府県労働局のサイトなどで調べられます。

急ぐ場合は、まず受診を優先してください。

記録を残す

いつ、どこで、何をしていて、どうなったか。その場でメモを残してください。

一緒にいた人がいれば、名前も記録してください。後で状況を説明するときの材料になります。

店が協力しない場合

事業主が手続きに協力しないことがあります。その場合でも、労働者本人が請求できます。

労働基準監督署に相談してください。証明が得られない事情を説明すれば、手続きは進みます。

相談先

事業場を管轄する労働基準監督署です。無料で相談でき、該当するかどうかの判断もそこで聞けます。

一人で抱え込まないでください。

申し出を理由にした不利益は禁止

労災の申し出をしたことを理由に、解雇その他の不利益な取り扱いをすることは認められていません。そうした扱いを受けた場合も、労働局に相談できます。

言い出しにくい空気があっても、権利は権利です。嫌がらせを伴う場合は職場でのハラスメントを受けたらにまとめています。

治療中の解雇の制限

業務上のけがや病気で療養のために休業する期間と、その後の一定期間については、解雇が制限される定めがあります。

治療のために休んだら辞めさせられる、という状態にはなりません。詳しい条件は労働基準監督署で確認してください。

業務委託は対象外

ここが最も大きな注意点です。雇用されていない働き方では、労災保険は原則として適用されません。

業務委託面貸しは、これに該当します。けがで働けなくなったとき、収入が止まります。

特別加入という仕組み

労働者以外でも、一定の要件のもとで労災保険に加入できる制度があります。対象となる業種や条件が定められています。

該当するかどうかは、労働基準監督署や労働保険の窓口で確認してください。

実態が雇用に近い場合

契約の名称が業務委託でも、働き方の実態によっては労働者として扱われることがあります。出勤時刻が決められている、仕事の進め方に指示がある、断る自由がない。

こうした要素がある場合、労災の対象になる可能性があります。考え方は雇用契約書と労働条件通知書の確認にまとめています。

民間の保険で備える

業務委託や面貸しで働くなら、自分で備える必要があります。働けなくなったときの収入を補う保険があります。

保険料は経費として扱える場合があります。税と保険の手続きは業務委託・面貸しの税金と保険にまとめています。

施術でお客さまに損害が出た場合

自分のけがとは別に、施術に伴う損害への備えがあります。店が加入している場合と、していない場合があります。

仕組みはサロンの賠償責任と保険、その場の動き方は施術で失敗したときにまとめています。

転職先で確認すること

社会保険完備の記載は、健康保険と厚生年金を指すことが一般的です。労災保険は、労働者を使用する事業では原則として適用されます。

雇用の形がどうなるかを、労働条件通知書で確認してください。

傷病手当金との違い

業務が原因でない病気やけがで働けないときは、健康保険の傷病手当金という制度があります。一定の要件のもとで支給されます。

国民健康保険には、原則としてこの仕組みがありません。詳しくは病気やけがで働けなくなったとき、将来の備えは美容師の退職金と将来の備えにまとめています。

予防が最も安い

制度は、起きた後の補償です。起きないようにするほうが、時間も収入も失いません。

手袋、靴、姿勢、休憩。いずれも今日から始められます。備えの全体像は美容の仕事と保険にまとめています。

今日からできること

まず、いま通っている医療機関に、業務中のものだと伝えているか確認してください。次に、勤務先の事業場を管轄する労働基準監督署を調べておきます。

そのうえで、社会保険完備の求人を見て、いまの雇用の形を確認してください。制度は、知っている人だけが使えます。

給与・待遇と制度の記事一覧体と健康の記事一覧もあわせて読めます。

参照した資料

制度や手続きの詳細は改定されることがあります。実際の判断は、各機関の最新の案内や 専門家へのご相談とあわせてご確認ください。

条件を確かめながら、実際の求人を見てみましょう。

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よくある質問

労災保険とは何ですか。

業務が原因のけがや病気、通勤中の事故を補償する制度です。保険料は事業主が負担し、労働者の負担はありません。アルバイトやパートでも、労働者であれば対象になります。

「うちは労災に入っていない」と言われました。

事業主が手続きをしていない場合でも、労働者が保護されないわけではありません。未手続きの間に起きた事故についても給付が行われる仕組みがあります。判断するのは店ではなく労働基準監督署です。

美容の現場ではどんなものが対象になりますか。

シザーやカミソリで指を切った、薬剤による皮膚の疾患、無理な姿勢による腰痛、濡れた床での転倒、通勤中の事故などです。いずれも業務との関連が認められるかが判断の分かれ目になります。

手荒れも対象になりますか。

薬剤に触れる業務が原因で発症した皮膚の疾患は、対象となる場合があります。判断は個別の事情によるため、自己判断で諦めず相談してみる価値があります。

受診のとき健康保険を使ってよいですか。

使えません。業務が原因のけがや病気には健康保険は使えず、労災の手続きをするものです。受診のとき窓口で「仕事中のけがです」と必ず伝えてください。

どういう順序で進めればよいですか。

まずその場で店に伝え、次に医療機関を受診し、そのとき業務中のものであることを伝えてください。後から切り替える手続きは手間が増えます。労災の指定を受けた医療機関では窓口での支払いが不要になる扱いがあります。

記録は何を残せばよいですか。

いつ、どこで、何をしていて、どうなったか。その場でメモを残し、一緒にいた人がいれば名前も記録してください。後で状況を説明するときの材料になります。

店が手続きに協力してくれません。

労働者本人が請求できます。労働基準監督署に相談し、証明が得られない事情を説明すれば手続きは進みます。申し出を理由に不利益な取り扱いをすることは認められていません。

治療中に解雇されませんか。

業務上のけがや病気で療養のために休業する期間と、その後の一定期間については解雇が制限される定めがあります。詳しい条件は労働基準監督署で確認してください。

業務委託でも対象になりますか。

雇用されていない働き方では原則として適用されません。ただし、労働者以外でも一定の要件のもとで加入できる特別加入という制度があります。また、実態が雇用に近い場合は対象になる可能性があります。