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給与・待遇と制度

美容師の退職金と将来の備え|雇用形態で変わる受け取り

年金の2つの層、退職金制度の有無、個人で積み立てる方法。働けなくなったときの備えまで含めて整理します。

VANNA Recruit 編集部公開:更新:

この記事で分かること

  • 厚生年金に加入しているかで将来の受け取りが変わること
  • 美容業界で退職金制度がある職場の見分け方
  • 個人で積み立てる制度の選択肢
  • 働けなくなったときの備えが雇用形態で異なること

美容の仕事は体を使う仕事です。いつまで同じ働き方ができるかを考えると、先の備えは早いほど有利になります。

そして、多くのサロンには退職金がありません。制度を知っているかどうかで、手取りも将来の受け取りも変わります。

まず年金の仕組みを押さえる

日本の年金は、全員が加入する国民年金と、会社に雇われている人が加入する厚生年金の二階建てです。厚生年金に加入していれば、国民年金に上乗せされます。

加入していない期間が長いほど、将来受け取る額は少なくなります。ここが、雇用形態を選ぶときに効いてくる部分です。

雇用形態で受け取る額が変わる

正社員として厚生年金に加入する場合と、業務委託や面貸しで国民年金だけの場合では、老後に受け取る額に差が出ます。

保険料の負担も違います。厚生年金は会社と折半ですが、国民年金は全額が自己負担です。会社が負担している分は、実質的な収入だと考えてください。

「社会保険完備」の意味

一般に健康保険・厚生年金保険・雇用保険・労災保険の4つを指します。社会保険完備の求人を優先する理由は、目先の手取りではなく長期の差にあります。

仕組みは美容師の社会保険にまとめています。

退職金がある職場もある

数は多くありませんが、退職金制度のある求人は存在します。制度がある場合、勤続年数の条件と計算方法を確認してください。

多くは基本給をもとに計算されるため、手当が多く基本給が低い構成では退職金も小さくなります。読み方は給与明細の読み方にまとめています。

中小企業向けの共済制度

中小企業が従業員のために積み立てる共済の仕組みがあります。加入している店であれば、退職時に受け取れます。

「退職金制度あり」の中身がこれである場合もあるため、何の制度かを確認してください。

個人で備える方法

公的な制度として、個人型の年金制度、小規模企業共済、国民年金基金などがあります。それぞれ対象者と税の扱いが異なります。

条件や上限額は改正が続くため、この記事では具体的な金額を挙げません。加入を検討する場合は、窓口や公的機関の案内で最新の内容を確認してください。

独立している人向けの制度

業務委託や面貸し、自分で店を持っている場合は、使える制度が変わります。小規模企業共済は、事業を廃止したときの備えとして使われます。

手続きと税の扱いは業務委託・面貸しの税金と保険にまとめています。

制度は変わる前提で

年金も共済も、条件は改正されます。一度調べて終わりにせず、数年に一度は確認してください。

いま有利な制度が、10年後も同じとは限りません。

働けなくなったときの備え

老後だけでなく、途中で働けなくなる場合の備えも必要です。体を使う仕事では、ここが現実的な問題になります。

健康保険に加入していれば、傷病により働けない期間の給付を受けられる仕組みがあります。国民健康保険では扱いが異なるため、自分がどちらかを把握しておいてください。

失業したときの給付

雇用保険に加入していれば、離職後に給付を受けられる場合があります。ただし手続きから受給までには期間があるため、貯蓄も必要です。

仕組みは辞めたあとの雇用保険にまとめています。

業務によるけがや病気

業務が原因の場合、労災保険の対象になることがあります。自己負担で治療を続ける前に確認してください。

手続きは仕事中のけがと労災、薬剤で体調を崩した場合は薬剤で体調を崩したときにまとめています。

手取りだけで比べない

求人を比べるとき、月給の額面や手取りだけを見ると判断を誤ります。社会保険の有無、退職金の有無、賞与の実績を含めた総額で比べてください。

比べ方は内定を複数もらったときの比べ方、賞与の見方は賞与と昇給の決まり方にまとめています。

20代での判断

加入期間が長いほど有利になる制度が多いため、早く始めるほど効きます。ただし、収入が少ない時期に無理をする必要はありません。

まず、厚生年金に加入できる職場を選ぶこと。これが最も効果の大きい選択です。

30代での判断

生活が安定してくる時期です。毎月いくら備えるかを決めて、仕組みにしてください。

意識して残そうとすると続きません。自動的に積み立てられる形にすると続きます。考え方は30代からの美容業界転職にもまとめています。

40代以降の判断

残り時間が限られるため、いまの働き方をいつまで続けられるかから逆算してください。

体力の変化を前提に、施術以外の役割も視野に入れる時期です。選択肢は体力が変わってきたとき、考え方は40代からの美容業界転職にまとめています。

独立を考える場合

会社の健康保険と厚生年金から外れ、国民健康保険と国民年金に切り替わります。負担額が変わるため、毎月の費用に必ず入れてください。

準備は独立の資金計画にまとめています。

長期の設計と結び付ける

10年後にどの立場にいたいかで、必要な備えも変わります。雇われて続けるのか、任される側になるのか、自分の店を持つのか。

考え方は10年後から逆算するにまとめています。

記録を残しておく

加入している制度、積み立てている額、受け取れる見込み。これを1枚にまとめておいてください。

転職のたびに制度が変わるため、記録が無いと自分が何に入っているか分からなくなります。

通知を捨てない

年に一度、加入の記録と将来受け取る見込み額の通知が届きます。開封せずに捨てている人がいますが、ここが出発点です。

加入していない期間があれば、そこで気づけます。

転職のたびに空白を作らない

退職から入職までに間が空くと、その期間は厚生年金から外れます。1か月でも、積み重なれば将来の受け取り額に影響します。

退職日と入職日を決めるときに、この点を確認してください。時期の考え方は転職の時期の決め方にまとめています。

生活防衛の資金を先に持つ

将来の備えより先に、当面の生活費を確保してください。急に働けなくなったとき、まず必要になるのは手元の現金です。

数か月分の生活費を確保してから、長期の備えに回すのが順番です。

家計と店の資金を分ける

独立している場合、事業のお金と生活のお金が混ざると、いくら備えられるか分からなくなります。口座を分けてください。

考え方はサロンの数字の見方にまとめています。

今日からできること

まず、いまの職場で厚生年金に加入しているかを、給与明細で確認してください。次に、退職金制度があるかを就業規則で確認します。

そのうえで、毎月いくらなら備えに回せるかを1つ決めてください。金額より、続く仕組みにすることのほうが重要です。

給与・待遇と制度の記事一覧もあわせて読めます。

参照した資料

制度や手続きの詳細は改定されることがあります。実際の判断は、各機関の最新の案内や 専門家へのご相談とあわせてご確認ください。

条件を確かめながら、実際の求人を見てみましょう。

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よくある質問

美容師に退職金はありますか。

退職金制度を持つ職場は多くありませんが、あるところもあります。退職金制度の記載がある求人を確認し、支給の条件と計算方法を聞いてください。勤続年数の条件があることが一般的です。

年金はどういう仕組みですか。

2つの層に分かれています。すべての人が対象になる国民年金と、会社などに雇われている人が加入する厚生年金です。厚生年金に加入していると、この2つ分を受け取ることになります。

業務委託だと年金はどうなりますか。

国民年金のみになります。同じ年数働いても受け取る額が変わります。さらに、厚生年金では保険料を勤務先と本人で分担しますが、国民年金では全額を自分で負担します。

社会保険完備にはどんな意味がありますか。

会社が負担する保険料は実質的な収入にあたります。同じ額面でも、加入の有無で価値が変わります。将来受け取る年金額にも差が出ます。

職場に制度が無い場合はどうしますか。

自分で積み立てる方法があります。個人型の年金制度や、事業を営む個人が廃業や退職に備える共済制度、国民年金に上乗せする制度などがあります。掛金の上限は働き方によって変わります。

面貸しでも使える積立の制度はありますか。

事業を営む個人が対象になる共済制度があります。面貸しや業務委託で働く人が対象になる場合があるため、加入の条件を運営機関の案内で確認してください。

働けなくなったときの備えはどうなりますか。

雇用されていれば労災保険や雇用保険の対象になりますが、業務委託では原則としてこれらの対象外です。けがで働けなくなると収入が止まるため、民間の保険で備える人もいます。

病気で休んだときの給付はありますか。

健康保険に加入している人が病気やけがで働けないとき、一定の要件のもとで支給される制度があります。国民健康保険には原則としてこの仕組みがありません。

何歳から考え始めればよいですか。

積み立ては期間が長いほど有利になるため、早いほど有利です。30代は雇用形態を選び直す時期であり、保険と年金の差が効き始める時期でもあります。

手取りが増えるなら業務委託のほうが得ですか。

月の手取りだけで比べると判断を誤ります。保険料の負担と将来の受け取りを含めると差は縮まります。月の手残り、保険料の負担、将来の受け取りの3つを揃えて比べてください。