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給与・待遇と制度

業務委託・面貸しの税金と保険|手元に残る額で比べる

開業届、確定申告、経費、国民健康保険と国民年金。雇用されている状態から移るときに、自分の担当になる手続きを整理します。

VANNA Recruit 編集部公開:更新:

この記事で分かること

  • 雇用と業務委託で変わる5つの項目
  • 収入と所得の違い、経費にできるもの
  • 保険料が前年の所得で決まることによる負担のずれ
  • 雇用時の手取りと正しく比べるための計算順序

業務委託や面貸しで働き始めると、税金と保険の手続きが自分の担当になります。会社が代わりにやってくれていたことを、自分でやることになります。

難しくはありませんが、知らずに進めると後で困ります。何が変わるかを順に見ていきます。

何が変わるのか

給与ではなく報酬を受け取る形になります。年末調整が無くなり、確定申告が必要になります。

社会保険は会社の制度から外れ、国民健康保険と国民年金に切り替わります。雇用保険にも入りません。比較は雇用形態の比較にまとめています。

開業届を出す

事業を始めたことを税務署へ届け出ます。提出の期限が定められているため、始めた時点で確認してください。

あわせて、青色申告の承認申請も検討してください。こちらも期限があり、過ぎるとその年は適用されません。

青色申告を選ぶ理由

帳簿の付け方が細かくなる代わりに、税の計算で有利になる仕組みがあります。制度の内容は改正されるため、税務署か公的機関の案内で確認してください。

記帳の負担が増えるため、続けられる方法を選んでください。

収入と所得は違う

受け取った報酬の合計が収入、そこから必要経費を引いたものが所得です。税は所得に対してかかります。

経費を把握していないと、実際より多く納めることになります。

経費になるもの

材料費、道具、講習の受講料、業務で使う通信費、移動の交通費。事業のために使ったものが対象です。

道具や材料の負担は道具代と材料費の負担にまとめています。何が経費になるかの判断は、税務署で確認してください。

家事と共用のものは按分する

自宅の一部を仕事に使う場合や、携帯を私用と兼ねる場合、事業に使った割合で分けます。

割合の考え方に決まりがあるため、自己判断で全額を計上しないでください。

領収書を保管する

経費として計上するには、記録が必要です。日付、金額、何に使ったかが分かる形で保管してください。

保管の期間にも定めがあります。年ごとにまとめる習慣を作ってください。

帳簿を付ける

売上と経費を記録します。手書きでも、会計のソフトを使っても構いません。

まとめて年末にやろうとすると破綻します。月に一度は入力してください。開業前に方法を決めておくのが確実です。

源泉徴収されている場合がある

報酬から所得税が差し引かれて支払われることがあります。その場合、確定申告で精算します。

支払われた額と、差し引かれた額を記録しておいてください。

消費税の扱い

売上の規模によって、消費税の申告が必要になる場合があります。制度は改正が続くため、自分が該当するかを税務署で確認してください。

取引先との請求の形にも関わります。

健康保険が変わる

会社の健康保険から外れ、国民健康保険に入ることになります。保険料は全額が自己負担です。

前の会社の健康保険を任意継続する選択肢もあります。期限が短いため、辞めると決まった時点で調べてください。手続きは転職時の保険・年金の切り替えにまとめています。

年金が変わる

厚生年金から国民年金に切り替わります。将来受け取る額が変わるため、備え方を考えてください。

小規模企業共済や個人型の年金制度など、独立している人向けの仕組みがあります。考え方は退職金がない場合の備えにまとめています。

労災も雇用保険も無い

けがをしても労災保険の対象にならず、仕事が無くなっても失業の給付はありません。

一部の業種では労災保険に特別加入できる仕組みがあります。該当するかを確認してください。考え方は仕事中のけがと労災にまとめています。

施術の事故に備える

賠償の責任が自分に向きます。施術に関わる保険への加入を検討してください。

責任の所在は施術のトラブルと賠償にまとめています。

収入が不安定になる

月によって変動します。売上が少ない月でも、席料や保険料は同じだけ出ていきます。

固定費を先に把握し、最低いくら必要かを計算してください。

手元に残る額で比べる

雇用と比べるときは、額面ではなく手元に残る額で見てください。報酬から経費、保険料、税を引いた額です。

会社が負担していた保険料の分も、自分で払うことになります。この差は小さくありません。

計算の例を作る

自分の想定する月の売上で、一度計算してみてください。売上、席料や手数料、材料費、保険料、税。

数字にすると、雇用との差が具体的になります。計算の考え方は美容師の給料の仕組みにあります。

契約書を確認する

報酬の計算方法、支払いの時期、経費の負担、事故が起きたときの責任。書面で確認してください。

面貸しの場合は面貸しで働くときの確認事項、契約全般は雇用契約書と労働条件通知書の確認にまとめています。

実態が雇用に近い場合

契約の名称が業務委託でも、出勤時刻が決められている、仕事の進め方に指示がある、断る自由がない。こうした要素があれば、労働者として扱われることがあります。

その場合、労働基準法の保護を受けられる可能性があります。労働局に相談できます。

収入を証明する場面

賃貸や保育園の申し込みでは、確定申告書の控えが収入を示す書類になります。申告していなければ、証明できるものがありません。

考え方は収入を証明する書類にまとめています。

迷ったら専門家に聞く

税や契約の判断は、自分だけで決めないでください。税務署の相談窓口は無料で使えます。

顧問を頼む費用はかかりますが、時間を集客や施術に使えます。

求人を見るときの見方

業務委託の求人面貸し・業務委託の求人では、これらがすべて自分の負担になります。

社会保険完備の求人と比べるときは、その差を金額にしてください。

住民税も自分で納める

給与から引かれていた分を、自分で納めることになります。前の年の所得に対してかかるため、独立した翌年にまとまった請求が来ます。

読み方は給与明細の読み方にまとめています。開業の年の資金計画に、必ず入れてください。

申告の時期を把握する

確定申告には期限があります。年が明けてから慌てないよう、年内に書類を揃えておいてください。

売上と経費の記録が月ごとにできていれば、この作業は短時間で済みます。

今日からできること

まず、開業届と青色申告の申請の期限を確認してください。次に、帳簿の付け方を1つ決めます。

そのうえで、想定する月の売上で手元に残る額を計算してください。雇用との差が、そこで見えます。

給与・待遇と制度の記事一覧もあわせて読めます。

参照した資料

制度や手続きの詳細は改定されることがあります。実際の判断は、各機関の最新の案内や 専門家へのご相談とあわせてご確認ください。

条件を確かめながら、実際の求人を見てみましょう。

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よくある質問

業務委託になると何が変わりますか。

所得の区分、税金の納め方、健康保険、年金、経費の扱いの5つが変わります。最も大きいのは、経費を差し引けることと、保険料を全額自分で負担することです。

開業届は出さないといけませんか。

事業として継続的に収入を得る場合、税務署に提出します。期限は事業を開始した日から1か月以内とされています。出さなくても罰則があるわけではありませんが、出しておくほうが手続きを進めやすくなります。

確定申告はいつしますか。

1年間の収入と経費をまとめて申告します。期間は原則として翌年の2月中旬から3月中旬ですが、日付は年によって変わるため、その年の案内を確認してください。

収入と所得は同じですか。

違います。収入は入ってきた金額の合計で、所得は収入から経費を引いた額です。税金は所得に対してかかります。

何が経費になりますか。

仕事のために使った費用が対象です。面貸しなら席料、材料費、器具の購入費、消耗品、仕事で使う衣類、講習の受講料などです。自宅の一部を仕事に使っている場合は、割合に応じて按分します。

領収書は取っておく必要がありますか。

必要です。保存期間が定められているため、申告後も捨てないでください。現金で払ったものほど記録が残りにくいので注意してください。

報酬から税金が引かれています。

業務委託の報酬から、あらかじめ所得税が差し引かれていることがあります。支払明細に記載されるので保管してください。確定申告で精算し、払いすぎていれば還付されます。

健康保険はどうなりますか。

勤務先の健康保険から外れ、国民健康保険などに切り替わります。保険料は前年の所得に応じて決まるため、収入が多かった翌年の負担が大きくなります。このずれを見込んでおいてください。

退職後も前の健康保険を続けられますか。

一定の条件のもとで継続できる制度があります。国民健康保険と比べてどちらが安いかは人によって違うため、退職前に両方の金額を確認してください。

雇用のときと収入をどう比べればよいですか。

売上から席料と材料費を引き、そこから国民健康保険と国民年金を引き、さらに所得税と住民税を引いた額が比較対象です。あわせて、労災保険や雇用保険の対象外になる点も計算に入れてください。