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給与・待遇と制度

雇用契約書と労働条件通知書の確認|入る前に読む場所は決まっている

書面のどこを、どの順で読むか。賃金・休日・試用期間・退職の項目ごとに、食い違いを入る前に見つける手順をまとめます。

VANNA Recruit 編集部公開:更新:

この記事で分かること

  • 労働条件として明示される主な項目
  • 固定残業代が適切に書かれているかの3点チェック
  • 試用期間・競業避止・顧客の扱いで確認する箇所
  • 業務委託契約との違いと、実態が雇用に近い場合の相談先

入る前に交わす書面を、きちんと読む人は多くありません。しかし、後でもめる原因のほとんどは、ここに書かれていたか、書かれていなかったことです。

読む場所は決まっています。順に見ていきます。

書面は必ず受け取る

働き始めるとき、労働条件を明示した書面を受け取ります。口頭の説明だけで働き始めないでください。

「あとで渡します」と言われた場合、いつ渡されるかを確認してください。書面が出てこない職場は、その時点で注意が必要です。

明示される項目

労働条件の明示は、法律上の義務として定められています。契約の期間、働く場所と仕事の内容、始業と終業の時刻、休憩・休日・休暇、賃金の決定方法と支払いの時期、退職に関すること。

これらが書かれているかを、順に確認してください。

契約の期間を見る

期間の定めがあるか無いかで扱いが変わります。無ければいわゆる正社員の形、有れば契約社員などの形です。

期間がある場合、更新の有無と判断基準が書かれているかを確認してください。更新と雇い止めの扱いは契約社員として働く、入社時に署名を求められる誓約書などは入社時に署名する書類にまとめています。

仕事の内容を見る

何を担当するかが書かれています。ここが曖昧だと、後で想定外の業務を求められることがあります。

施術のほかに、清掃、集客、SNSの更新が含まれるのか。具体的に書かれていない場合は、面接で確認してください。

働く場所を見る

複数の店舗を持つ会社では、異動の可能性があります。異動の範囲が書かれているかを確認してください。

通える範囲を超える異動があると、生活が変わります。転勤なしの求人を選ぶ方法もあります。希望を出す側の進め方は異動の希望を出すにまとめています。

始業と終業の時刻を見る

求人票の勤務時間と一致しているかを確認し、この時刻が実態と合っているかを面接で聞いてください。

書面上は19時終業でも、実際は20時を過ぎる職場があります。実態の見方は美容師の労働時間と休日の実態にまとめています。

休憩時間を見る

労働時間が6時間を超える場合は45分以上、8時間を超える場合は1時間以上の休憩が必要とされています。記載があるかを確認し、実際に取れているかを面接で聞いてください。

予約が詰まっていて取れない職場があります。

休日と休暇を見る

年間休日の実数が書かれているか確認してください。「週休二日制」と「完全週休二日制」の違いも、ここで確認します。

年間休日120日以上完全週休二日制で求人を絞り込めます。読み分け方は求人票の読み方にまとめています。

賃金の項目を見る

ここが最も重要な部分です。基本給がいくらか、手当が何でそれぞれいくらか、歩合がある場合の計算方法、支払いの日と締め日。

基本給は賞与や退職金の計算にも使われるため、手当が多く基本給が低い構成は後から効いてきます。

固定残業代の記載を確認する

含まれている場合、基本給の額、固定残業代の額とそれが何時間分か、その時間を超えた場合に追加で支払う旨。この3つが書かれている必要があります。

揃っていなければ確認してください。読み方は給与明細の読み方にまとめています。

歩合の計算方法を確認する

「歩合あり」だけでは計算できません。対象が総売上か指名売上か、いくらを超えた分から付くか、率が一律か段階的か。

計算の例は美容師の給料の仕組みにあります。

控除される項目を確認する

給与から引かれるものが書かれています。社会保険料と税金は法律に基づくものですが、それ以外に控除がある場合、内容を確認してください。

材料費や研修費の名目で引かれる場合、根拠を聞いてください。労使協定などの取り決めが必要とされる場合があります。負担の全体は道具代と材料費の負担にまとめています。

最低賃金を下回っていないか

月給を所定労働時間で割ると、下回っている場合があります。書面に所定労働時間が書かれていれば計算できます。

手順は自分の時給を確かめるにまとめています。

試用期間の条件を見る

設けられている場合、期間と条件を確認してください。その間の給与が本採用後と違う場合があります。

期間が終わったら自動的に本採用になるのか、判断があるのかも確認してください。扱いは試用期間の労働条件にまとめています。

退職に関する記載を見る

辞めるときの手続きが書かれています。何か月前に申し出るかは、職場によって1か月から3か月と幅があります。

手順は退職の進め方、進まない場合は辞めさせてもらえないときにまとめています。

就業規則も確認する

労働条件通知書とは別に、就業規則があります。常時10人以上を使用する職場では、作成と届出が必要とされています。

副業の可否、慶弔休暇、表彰と制裁などが書かれています。「就業規則を見せていただけますか」と聞いて構いません。

競業避止の条項に注意する

辞めた後、近隣で働くことを制限する条項がある場合があります。範囲、期間、対象となる行為を確認してください。

制限が広すぎる条項は、必ずしも有効とは限りません。疑問があれば、労働局の相談窓口で確認できます。

顧客に関する取り決め

担当したお客さまの情報は、職場の管理下にあります。退職時の扱いが規則に書かれている場合があります。

独断で持ち出すとトラブルになるため、先に確認してください。扱いは顧客情報の扱いにまとめています。

業務委託の場合は別の書面になる

雇用ではない場合、労働条件通知書ではなく業務委託契約書になります。労働時間や休憩の規定は原則として適用されません。

その代わり、報酬の計算方法と支払い条件が中心になります。比較は雇用形態の比較、税と保険は業務委託・面貸しの税金と保険にまとめています。

面貸しの契約はさらに違う

席を借りる契約になります。席料の形式、材料費の負担、集客の責任範囲を確認してください。

確認項目は面貸しで働くときの確認事項にまとめています。

実態が雇用に近い場合

契約の名称が業務委託でも、働き方の実態によっては労働者として扱われることがあります。出勤時刻が決められている、仕事の進め方に指示がある、断る自由がない。

こうした要素があるのに業務委託とされている場合、労働局に相談できます。

書面と説明が食い違ったら

入る前に指摘してください。「面接では月給25万円と伺いましたが、書面では23万円になっています」。

このやり取りができない職場は、入ってからも条件の話ができません。聞きにくい質問こそ、入る前に済ませてください。

受け取った書面は保管する

原本を保管し、写真を撮ってでも手元に残してください。後で条件が食い違ったとき、これが唯一の証拠になります。

給与明細も、同じように残してください。

今日からできること

いま働いている人は、労働条件通知書を探して読み返してください。これから応募する人は、内定時に必ず書面を求めてください。

そのうえで、社会保険完備の求人を並べて条件を比べてください。書面で確認する習慣が、いちばんの防御になります。

給与・待遇と制度の記事一覧もあわせて読めます。

参照した資料

制度や手続きの詳細は改定されることがあります。実際の判断は、各機関の最新の案内や 専門家へのご相談とあわせてご確認ください。

条件を確かめながら、実際の求人を見てみましょう。

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よくある質問

労働条件は書面でもらえますか。

労働条件の明示は法律上の義務として定められています。口頭の説明だけで働き始めないでください。「あとで渡します」と言われた場合は、いつ渡されるかを確認してください。

書面には何が書かれていますか。

契約の期間、働く場所と仕事の内容、始業と終業の時刻、休憩・休日・休暇、賃金の決定方法と支払いの時期、退職に関することなどです。これらが書かれているかを順に確認してください。

仕事の内容が曖昧に書かれています。

後で想定外の業務を求められることがあります。施術のほかに清掃、集客、SNSの更新が含まれるのかを面接で確認してください。

固定残業代はどう書かれていれば適切ですか。

3点が必要です。固定残業代を除いた基本給の額、固定残業代の額とそれが何時間分か、その時間を超えた場合に追加で支払う旨。揃っていなければ確認してください。

給与から材料費を引かれるのは問題ありませんか。

控除の内容と根拠を確認してください。社会保険料と税金は法律に基づくものですが、それ以外の控除については、何に対するものかを説明してもらってください。

試用期間中は条件が違ってもよいのですか。

試用期間中の給与が本採用後より低く設定されること自体は認められています。ただし、その額と期間が明示されている必要があります。期間終了後に自動的に本採用になるのかも確認してください。

就業規則も見せてもらえますか。

「見せていただけますか」と聞いて構いません。常時10人以上を使用する職場では作成と届出が必要とされており、副業の可否や休暇の扱いが書かれています。

辞めた後に近隣で働けない条項があります。

範囲・期間・対象となる行為を確認してください。制限が広すぎる条項は必ずしも有効とは限りません。疑問があれば労働局の相談窓口で確認できます。

書面と面接の説明が食い違っていました。

入る前に指摘してください。「面接では月給25万円と伺いましたが、書面では23万円になっています」と具体的に伝えます。このやり取りができない職場は、入ってからも条件の話ができません。

契約が業務委託でも労働者として扱われることはありますか。

あります。出勤時刻が決められている、仕事の進め方に指示がある、断る自由がない。こうした要素があるのに業務委託とされている場合、労働局に相談できます。