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キャリア

独立の資金計画|開業資金の内訳と、足りなくなる場所

独立で失敗する理由の多くはお金です。開業までの費用、毎月の固定費、軌道に乗るまでの生活費を分けて数える方法を整理します。

VANNA Recruit 編集部公開:

この記事で分かること

  • 「開業まで」ではなく「軌道に乗るまで」で資金を見る
  • 固定費を平均単価で割った損益分岐点と、自分が回せる上限を突き合わせる
  • 面貸しから始めれば初期費用を下げられるが、集客と税の責任が移る

独立で失敗する理由の多くは、技術ではなくお金です。開業はできたものの、数か月で資金が尽きるという形が最も多くあります。

そのため、資金は「開業まで」ではなく「軌道に乗るまで」で考えてください。数えるのは、開業までにかかるお金、毎月出ていくお金、売上が立つまでの生活費の3つです。

開業までにかかるもの

物件の取得費、内装工事、設備、器具、材料の初回仕入れ、看板、届出の費用。このうち内装工事が最も大きくなりがちなので、見積もりは複数から取ってください。

すべてを希望通りにすると予算を超えます。削れない場所と後から足せる場所を分けてください。給排水と電気の工事は、後から変えにくい部分です。

物件で最初につまずく

保証金、礼金、仲介手数料、前家賃。家賃の数か月分がまとまって必要になります。

さらに、契約する前にその物件が美容所として使えるかを確認する必要があります。ここを確認せずに契約すると、工事の段階で行き詰まります。

美容所の開設には届出が要る

美容所を開くには、保健所への届出と、構造設備の基準を満たすことが求められます。作業室の面積、器具の消毒設備、換気などに決まりがあります。

工事を始める前に、管轄の保健所へ相談してください。図面の段階で相談すると、やり直しを避けられます。

管理美容師が必要になる場合

常時2人以上の美容師がいる美容所には、管理美容師を置く必要があるとされています。一人で始めるなら不要ですが、増やすときに関わってきます。

取得の条件は美容の資格・検定の選び方にまとめています。開業の日程に影響するため、必要になると分かっているなら早めに受けておく手があります。

毎月出ていくもの

家賃、水道光熱費、通信費、材料費、広告費、保険料、リース料。人を雇うなら、給与と社会保険の会社負担分が加わります。

これを12か月分並べてください。開業してすぐ自分の給料は出ないので、家賃・食費・保険・税金を含めた生活費も、最低6か月分は別に確保します。

前の店の客は来ない前提で

顧客名簿は店の管理下にあり、持ち出せません。扱いは雇用契約書と労働条件通知書の確認にまとめています。

来るかどうかは、通える範囲かどうかが最も効きます。前の店から遠い場所で開くほど、来る人は減ります。立地を決める前にこの点を考えてください。

損益分岐点を出す

毎月の固定費を、1人あたりの平均単価で割ってください。出た数字が、赤字にならないために必要な月間の来店人数です。

次に、1日の営業時間を1人あたりの施術時間で割り、稼働日数を掛けます。これが自分1人で回せる上限です。上限が損益分岐点を下回るなら、その計画は成立しません。

成立しない場合の選択肢

方法は2つで、単価を上げるか、固定費を下げるかです。多くの場合、家賃を下げるほうが現実的です。

資金の調達

自己資金のほか、日本政策金融公庫などの融資や、自治体の制度融資があります。創業時に使える制度があるため、条件と手続きは各機関の窓口で確認してください。

融資を受ける場合、自己資金がいくらあるかが見られます。全額を借りる前提の計画は通りにくいため、貯める期間も計画に含めてください。

事業計画書が要る

融資を受けるには、計画を書面にする必要があります。売上の見込み、その根拠、費用の内訳、返済の計画。根拠のない売上見込みは、その場で指摘されます。

借りた分は毎月返すため、返済額は固定費に足してください。損益分岐点が上がります。

段階を踏む方法

いきなり店を構えず、席を借りて始める方法があります。初期費用が大幅に下がり、失敗したときの損失も小さくなります。確認項目は面貸しで働くときの確認事項にまとめています。

固定費が席料だけになる一方、集客の責任が自分に移り、社会保険から外れて確定申告が必要になります。手続きは業務委託・面貸しの税金と保険にまとめています。面貸し・業務委託の求人で条件を見比べられます。

独立支援のある店で準備する

開業までの期間を、支援のある店で過ごす方法があります。独立・開業支援のある求人では、資金や物件について相談できる場合があります。

支援の中身は店ごとに大きく違うため、資金なのか、物件なのか、経営の指導なのかを具体的に確認してください。一定期間の勤務が条件になっていることがあり、支援を受けたあとに辞める場合の扱いも含めて、口頭ではなく書面で残します。

設備の費用を抑える

シャンプー台やセット椅子は、中古で入手できる場合があります。初期費用を大きく下げられますが、状態と修理の可否を確認してください。

材料の仕入れ先も、開業前に取引の条件を確認しておきます。最低の発注量や支払いの条件が決まっており、在庫を抱えすぎないことも重要です。

保険と年金が変わる

会社の健康保険と厚生年金から外れ、国民健康保険と国民年金に切り替える手続きが必要です。負担額が変わるため、毎月の費用に入れてください。

あわせて、施術による事故に備える保険も検討してください。万一のときに自己資金で対応するのは現実的ではありません。

帳簿と税の届出

開業の届出と、青色申告の承認申請には期限があります。期限を過ぎると、その年は適用されません。税務署で確認してください。

会計の記録方法は、開業前に決めておいてください。売上と経費を分けて記録する習慣を先に作らないと、確定申告で困ります。

一人で抱えない

税や登記の手続きは専門家に依頼できます。自分でやると時間を取られるため、その時間を集客に使うほうが効く場合があります。

人を雇うときに増えるもの

給与に加えて、社会保険の会社負担分と労働保険料が必要です。さらに、労働条件を明示する書面を交わす義務があります。

雇う側の義務は、雇われる側の権利と表裏です。自分が受け取ってきた書面と同じものを、今度は用意する立場になります。

集客の費用を見込む

開業直後は、来店してもらうための費用がかかります。ページの制作、地図への掲載、印刷物。これらは初期費用にも毎月の費用にも入ります。

雇われている間に発信を続けていれば、この負担は軽くなります。考え方は発信と指名づくりにまとめています。

自分の給料を先に決める

いくらに設定するかを決めずに始めると、生活費と店の資金が混ざります。最初に決めて、口座も分けてください。

生活費として必要な額が、店から出せる額を上回るなら、その計画はまだ成立していません。開業の時期を遅らせるか、規模を下げる判断になります。

今日からできること

まず、毎月の固定費を12か月分書き出してください。次に、生活費6か月分を足します。

そのうえで、独立・開業支援のある求人で支援の相場を見てください。進め方の全体は独立前のチェックリストにまとめています。

キャリアの記事一覧もあわせて読めます。

参照した資料

制度や手続きの詳細は改定されることがあります。実際の判断は、各機関の最新の案内や 専門家へのご相談とあわせてご確認ください。

条件を確かめながら、実際の求人を見てみましょう。

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よくある質問

開業資金はいくら必要ですか。

物件、内装、設備、器具、初回の仕入れ、届出の費用に加えて、毎月の固定費と生活費が必要です。金額は規模と立地で大きく変わるため、この記事の3区分で自分の数字を出してください。

生活費はどのくらい用意すればよいですか。

開業してすぐ自分の給料は出ません。家賃、食費、保険、税金を含めて、最低でも6か月分は別に確保してください。ここを見落とすと、売上が立つ前に資金が尽きます。

前の店のお客さまは来てくれますか。

その前提で計画を立てないでください。顧客名簿は店の管理下にあり持ち出せません。また、通える範囲かどうかが最も効きます。前の店から遠いほど来る人は減ります。

美容所を開くのに届出は要りますか。

保健所への届出と、構造設備の基準を満たすことが求められます。作業室の面積、器具の消毒設備、換気などに決まりがあるため、工事を始める前に管轄の保健所へ相談してください。

損益分岐点はどう計算しますか。

毎月の固定費を、1人あたりの平均単価で割ってください。出た数字が赤字にならないために必要な月間の来店人数です。これを自分1人で回せるかを確認します。

回せる上限はどう出しますか。

1日の営業時間を1人あたりの施術時間で割り、稼働日数を掛けます。この上限が損益分岐点を下回るなら、その計画は成立しません。単価を上げるか固定費を下げてください。

融資は受けられますか。

創業時に使える制度があります。ただし自己資金がいくらあるかが見られるため、全額を借りる前提の計画は通りにくくなります。条件は各機関の窓口で確認してください。

いきなり店を構えるのが不安です。

席を借りて始める方法があります。初期費用が大幅に下がり、失敗したときの損失も小さくなります。一方で集客の責任が自分に移り、確定申告も必要になります。

独立支援のある店で準備するのは有効ですか。

有効です。ただし支援の中身は店ごとに大きく違います。資金なのか、物件なのか、経営の指導なのかを具体的に確認し、口頭ではなく書面で残してください。

保険や年金はどうなりますか。

会社の健康保険と厚生年金から外れ、国民健康保険と国民年金に切り替える手続きが必要です。負担額が変わるため、毎月の費用に必ず入れてください。