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給与・待遇と制度

面貸し(ミラーレンタル)の契約前チェック|席料・材料費・集客の確認事項

席料の形式、材料費の負担、集客の責任範囲。契約前に必ず書面で確かめたい項目を挙げます。

VANNA Recruit 編集部公開:更新:

この記事で分かること

  • 契約前に書面で確認する7項目
  • 席料の形式(月額固定と売上歩合)で変わるリスク
  • 労災・有給が無く、保険と税金が自分の担当になること
  • 売上ではなく、経費と保険料を引いた後の額で比べる

面貸し(ミラーレンタル)は、サロンの席を借りて自分のお客さまを施術する働き方です。勤務日も単価も自分で決められる一方、雇用契約ではないため守られる範囲が変わります。

契約前に確かめる項目を挙げます。すべて書面で受け取ってください。

雇用と何が違うか

最も大きいのは、守られる範囲です。労働時間や休憩の規定は、原則として適用されません。

有給休暇もありません。休んだ日の収入は、そのまま消えます。社会保険と税金の手続きも、自分の担当になります。

確認項目は7つ

席料の形式、材料費・薬剤費の負担、集客の責任範囲、使える時間と設備、お金の受け渡し、契約の終わり方、保険と税金。

順に見ていきます。

1. 席料の形式

大きく2つあります。月額固定は毎月一定額で、売上が伸びるほど手元に残る割合が増えますが、客数が少ない月は負担が重くなります。

売上歩合は売上の一定割合を支払う形です。売上ゼロなら支払いもゼロですが、伸びても割合は変わりません。

切り替えができるか聞く

始めたばかりで客数が読めないうちは歩合、安定してきたら固定。こういう切り替えができる契約かどうかも聞いておいてください。

途中で変更できる契約なら、リスクが下がります。

2. 材料費・薬剤費の負担

カラー剤、パーマ液、シャンプー、タオル。誰が用意するかで、実質の手取りが数万円単位で変わります。

全額サロン負担、全額自己負担、一部負担の3通りがあります。負担の実態は美容師の道具と自己負担にまとめています。

仕入れ先の指定を確認する

自己負担の場合、仕入れ先が指定されるかどうかも確認してください。指定されると、価格を自分で下げられません。

自由に選べるなら、仕入れの工夫で経費を減らせます。

3. 集客の責任範囲

面貸しは「自分のお客さまを持ち込む」のが基本です。ただしサロンによっては、予約サイトへの掲載やフリーのお客さまの割り振りがあります。

新規のお客さまが回ってくるか。回ってくる場合、席料や歩合の扱いは変わるか。サロンの予約システムを使えるか。

集客が無い前提で資金を用意する

「集客はご自身で」と明記されている場合、開始直後の数か月は収入が立たない前提で資金を準備しておく必要があります。

生活費の3か月分は残しておいてください。

4. 使える時間と設備

入れる曜日と時間帯、営業時間内のみか時間外も可か。シャンプー台・カラー台の共用ルール。

器具や什器の持ち込み可否と、私物の保管場所。ここまで確認してください。

繁忙時間帯に席が取れるか

ここが収入に直結します。繁忙時間帯に席が確保できないと、想定した売上に届きません。

「土曜の午後は何席空いていますか」と具体的に聞いてください。

5. お金の受け渡し

お客さまからの代金を誰が受け取るか。サロンが受け取り後日精算か、自分で受け取るか。

精算日と支払サイト、キャッシュレス決済の手数料を誰が負担するか。この4点を確認してください。

手数料は見落としやすい

決済の手数料は、数パーセントでも積み上がります。自己負担なら、売上から差し引いて計算してください。

現金のみの運用が可能かも聞いておいてください。

6. 契約の終わり方

契約期間と更新のしかた。辞めるときの通知期間は、1か月前などと定められていることがあります。

お客さまの引き継ぎに関する取り決めも、あわせて確認してください。

競業避止の条項に注意する

「契約終了後◯年間、近隣で開業しない」といった条項が入っていることがあります。将来の独立を考えているなら、範囲と期間を必ず読んでください。

制限が広すぎる条項は、必ずしも有効とは限りません。戻るときの整理は独立・業務委託から雇用へ戻るにまとめています。

7. 保険と税金

業務委託は雇用ではないため、健康保険(国民健康保険)、年金(国民年金)、確定申告を自分で手続きします。

加えて、施術トラブルに備える賠償責任保険があります。任意ですが加入を勧められることが多くあります。仕組みはサロンの賠償責任と保険にまとめています。

手続きの中身

開業届、経費の計上、帳簿の付け方。保険料が前年の所得で決まるため、負担にずれが生じます。

詳しくは業務委託・面貸しの税金と保険にまとめています。

働けない期間の備えが無い

国民健康保険には、傷病手当金の仕組みが一般的に用意されていません。体調を崩した期間の収入が、そのままゼロになります。

考え方は病気やけがで働けなくなったときにまとめています。

労災が使えない

労災保険も原則として適用されません。仕事中のけがや通勤中の事故は、自己負担になります。

ただし、一定の要件のもとで加入できる特別加入という制度があります。考え方は仕事中のけがと労災にまとめています。

手取りの計算をする

売上がそのまま収入ではありません。売上から席料と材料費を引き、そこから国民健康保険と国民年金を引きます。

さらに所得税と住民税を引く。残った額が、雇用時の手取りと比べる対象です。

計算の例

売上が月60万円、席料が15万円、材料費が5万円なら、残りは40万円です。ここから保険料と税金を払います。

雇用されて月給30万円の場合の手取りと比べてみてください。思ったほど差が無いこともあります。

下限で判断する

うまくいった月の額ではなく、うまくいかなかった月の額を見てください。体調を崩して休んだ月に、いくら入るか。

その額で生活が成り立たないなら、まだ早い段階です。

「業務委託」でも実態が雇用なら

出勤時間が決められている、仕事の進め方を細かく指示される、他の仕事を受けることが禁止されている。

こうした実態がある場合、契約書の名前が業務委託でも、法律上は労働者と扱われることがあります。業務委託のまま働く場合に相手へ求められることは業務委託で働く人を守る仕組みにまとめています。

労働者と認められれば

最低賃金・残業代・社会保険などの保護を受けられます。判断に迷う内容の契約を提示されたときは、署名する前に相談してください。

お住まいの都道府県労働局や労働基準監督署の総合労働相談コーナーで、無料で相談できます。

向いている人

すでに指名のお客さまがいる人、収入の波を自分で管理できる人、経理や手続きを負担に感じない人。この3つが揃っていれば、進めて構いません。

向いていない人

技術を教わりながら伸ばしたい段階の人、収入を安定させたい段階の人。この場合は、雇用のほうが合っています。

お客さまとの距離が近くなる

自分で集客する形では、連絡先を交換する場面が増えます。そのぶん、線を自分で引く必要があります。

考え方はお客さまとの距離の取り方にまとめています。

独立の練習として

面貸しは「独立の練習」として選ばれることもあります。ただし、集客も経理も自分で回す点は開業とほぼ同じです。

違うのは、物件のリスクを負わないことだけだと考えておいてください。準備項目は独立前のチェックリストにまとめています。

年代で判断が変わる

30代は、収入の上限が外れる魅力が大きい時期です。40代からは、保険と年金の差が効いてきます。

考え方は30代からの美容業界転職40代からの美容業界転職にまとめています。

求人の探し方

面貸し・ミラーレンタルの求人業務委託の求人は、契約の形が違います。まとめて見たい場合は面貸し・業務委託で働く特集から絞り込めます。

雇用と並べて比べる

まだ収入を安定させたい段階なら、正社員の求人社会保険完備の求人と並べてください。

年単位の手取りで比べると、印象が変わります。判断の材料は正社員・業務委託・面貸しの違いを比べるにまとめています。

今日からできること

まず、いまの指名客の人数を数えてください。次に、その人数で作れる月の売上を計算します。

そこから席料と材料費と保険料を引いて、残る額を出してください。その額で生活が成り立つなら、契約の中身を確認する段階に進めます。

給与・待遇と制度の記事一覧もあわせて読めます。

参照した資料

制度や手続きの詳細は改定されることがあります。実際の判断は、各機関の最新の案内や 専門家へのご相談とあわせてご確認ください。

条件を確かめながら、実際の求人を見てみましょう。

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よくある質問

面貸しと雇用は何が違いますか。

守られる範囲です。労働時間や休憩の規定は原則として適用されず、有給休暇もありません。休んだ日の収入はそのまま消え、社会保険と税金の手続きも自分の担当になります。

席料はどう決まりますか。

月額固定と売上歩合の2つがあります。固定は売上が伸びるほど手元に残る割合が増える一方、客数が少ない月の負担が重くなります。歩合は売上ゼロなら支払いもゼロですが、伸びても割合は変わりません。

材料費は誰が負担しますか。

契約によります。全額サロン負担、全額自己負担、一部負担の3通りがあり、実質の手取りが数万円単位で変わります。自己負担の場合は仕入れ先が指定されるかも確認してください。

お客さまは紹介してもらえますか。

面貸しは「自分のお客さまを持ち込む」のが基本です。「集客はご自身で」と明記されている場合、開始直後の数か月は収入が立たない前提で資金を準備してください。

繁忙時間帯に席は使えますか。

ここが収入に直結します。繁忙時間帯に席が確保できないと、想定した売上に届きません。「土曜の午後は何席空いていますか」と具体的に聞いてください。

契約を終えるときの注意点は何ですか。

通知期間とお客さまの引き継ぎの取り決めです。「契約終了後◯年間、近隣で開業しない」といった条項が入っていることがあるため、将来の独立を考えているなら範囲と期間を必ず読んでください。

保険や税金はどうなりますか。

国民健康保険、国民年金、確定申告を自分で手続きします。賠償責任保険も加入を勧められることが多くあります。労災保険も原則として適用されず、仕事中のけがは自己負担になります。

収入はどう比べればよいですか。

売上から席料と材料費を引き、そこから国民健康保険と国民年金を引き、さらに所得税と住民税を引いた額が比較対象です。うまくいった月ではなく、休んだ月の額で判断してください。

契約が業務委託でも労働者になることはありますか。

あります。出勤時間が決められている、仕事の進め方を細かく指示される、他の仕事を受けることが禁止されている。こうした実態がある場合、労働者として最低賃金や社会保険などの保護を受けられることがあります。

どんな人に向いていますか。

すでに指名のお客さまがいて、収入の波を自分で管理でき、経理や手続きを負担に感じない人です。技術を教わりながら伸ばしたい段階、収入を安定させたい段階では雇用のほうが合っています。