本文へ移動
キャリア

サロンの数字の見方|店を任される前に覚える最低限

売上を人数と単価に分ける、原価と人件費を把握する、定着率を持つ。店を任される段階で必要になる数字の読み方を整理します。

VANNA Recruit 編集部公開:

この記事で分かること

  • 売上は人数と単価に分け、人数はさらに新規と再来に分ける
  • 「忙しい」では動かない。現状の数字・目指す数字・必要なことを組にして提案する
  • 直近1年の入退社は、店の状態を最も端的に表す数字

店長や幹部を任される段階になると、自分の施術の数字だけでは足りなくなります。店全体がどう回っているかを、数字で説明できる必要が出てきます。

難しい会計の知識は要りません。使う数字は限られていて、意味さえ分かれば読めます。

なぜ数字が要るのか

人を増やしてほしい、単価を上げたい、休みを増やしたい。こうした提案を通すには根拠が必要です。

「忙しい」「厳しい」では動きません。数字にして初めて、検討の対象になります。役割の進み方は店長・マネージャーへの道にまとめています。

売上を3つに分解する

売上は、来店した人数と1人あたりの単価に分かれ、人数はさらに新規と再来に分かれます。

売上が落ちたとき、この3つのどれが落ちたのかで打ち手がまったく変わります。まとめて「売上が落ちた」と見ていると、対策を間違えます。

新規が落ちている場合

集客の問題なので、ページや発信、店の見え方を見直す話になります。

ただし、新規が減っていても再来が伸びていれば、店としては安定していきます。片方だけを見て慌てないでください。

再来が落ちている場合

来た人が戻ってきていないということなので、施術か対応、あるいは予約の取りやすさに原因があります。

担当者ごとにリピート率を出せば、どこで起きているかが分かります。考え方は指名を増やすにはにまとめています。

単価が落ちている場合

安いメニューに偏っている、追加の提案ができていない、値引きが常態化している。このいずれかであることが多くあります。

単価を上げる前に、上げたときに来店の間隔が空かないかを確認してください。1回の金額ではなく、1年の総額で見る必要があります。

施術と店販は分けて見る

施術による売上と、店販による売上を混ぜると、どちらが動いたのか分からなくなります。

店販が増えているのに施術が落ちている場合と、その逆では意味がまったく違います。

原価を把握する

薬剤や材料にかかる費用が、売上のどれくらいを占めているか。これを知らないと、値引きの影響が分かりません。

同じ売上でも、原価の高いメニューに偏れば手元に残る額は減ります。材料費サロン負担の求人かどうかは、この負担を誰が持つかという話です。

人件費の見方

給与だけでなく、社会保険の会社負担分も人件費です。額面だけで計算すると、実際の負担を見誤ります。

売上に対する人件費の割合を出しておくと、人を増やせるかどうかの判断ができます。

固定費と変動費を分ける

家賃やリース料のように売上に関係なく毎月出ていくものが固定費、材料費のように売上に応じて増えるものが変動費です。

固定費が高い店は、売上が落ちたときの痛みが大きくなります。この構造は独立するときも同じで、考え方は独立の資金計画にまとめています。

損益分岐点を出す

固定費を、1人あたりの平均単価から変動費を引いた額で割ります。出た数字が、赤字にならないために必要な月間の来店人数です。

この数字を知っていると、「あと何人来れば足りるか」を具体的に言えるようになります。

稼働率で見る

用意した席と時間のうち、実際に埋まっている割合です。予約が入っていない時間が多ければ、集客か予約の設計に余地があります。

逆に稼働率が高すぎる場合、断っているお客さまがいるということです。人を増やす根拠になります。

1人あたりの生産性

スタッフ1人が月にいくら売り上げているか。人を増やすかどうかの判断に使います。

ただし、この数字だけで個人を評価しないでください。新規が回ってこない人は数字が上がらず、それは本人の努力とは別の問題です。配分の仕組みとあわせて見る必要があります。

労働時間と突き合わせる

売上が伸びていても、労働時間が同じだけ伸びていれば効率は変わっていません。時間あたりの売上で見てください。

長時間労働で売上を作る形は、人が辞めることで崩れます。実態は美容師の労働時間と休日の実態にまとめています。

定着率を数字で持つ

直近1年で入った人と辞めた人の人数は、店の状態を最も端的に表す数字です。

採用と教育にかかる費用は、辞められるたびに失われます。定着を上げることは、集客と同じかそれ以上の効果があります。

教育にかける時間も費用

新人を教える時間は、その人が施術できない時間です。短期的には損失に見えますが、育たなければ人手不足が続きます。

進め方はサロンの教育担当になるにまとめています。人手が足りない状態が続いているときの見極めは人手が足りず回らないときにまとめています。

毎月同じ形で見る

月によって集計の方法を変えると、比べられなくなります。同じ項目を、同じ計算で、毎月出してください。

比べられて初めて、変化に気づけます。1か月単位で一喜一憂せず、3か月の移動平均で見ると傾向が分かります。

数字が取れない店もある

予約システムに担当別の集計が無い、原価を管理していない、労働時間を記録していない。この状態では、そもそも判断ができません。

まず記録を始めるところからです。1か月分でも溜まれば、話ができるようになります。

提案の形にする

数字を並べるだけでは動きません。現状の数字、目指す数字、そのために必要なことをひと組にして提案してください。

「1日平均7人を担当していて、平均30分遅れて終わっています。1人あたりの枠を10分延ばせば遅れは解消しますが、1日あたり1人減ります」という形です。判断の材料を相手に渡すのが目的で、結論を押し付ける場ではありません。

求人を選ぶときにも使える

数字で答えられる店は、実態を把握しています。「1日あたり平均何人ですか」「直近1年で入った方と辞めた方は何人ですか」と聞いてください。

答えられない店は、管理していないということです。店長・マネージャー職の特集店長・マネージャーの求人で条件を見比べられます。店長候補の求人から入る道もあります。

メニュー別に見る

売上の合計だけでは、何が支えているかが分かりません。メニューごとの件数と単価を出してください。

件数は多いが単価が低いメニューと、その逆があります。原価率もメニューによって違うため、どれを伸ばすかの判断はこの2つを並べて初めてできます。

曜日と時間帯で見る

同じ月でも、埋まっている曜日と空いている曜日があります。空いている時間帯が分かれば、営業時間やシフトを見直す材料になります。

人を増やすより先に、空いている時間を埋めるほうが費用がかかりません。

数字を共有するかどうか

スタッフに数字を開示するかは、店の方針によります。共有すると、各自が自分の位置を把握できます。

一方で、個人の売上だけを並べて競わせると、提案が押し付けになったり、新規の取り合いが起きたりします。何をどこまで見せるかは、慎重に決めてください。

今日からできること

まず、自分の店の先月の売上を、人数と単価に分けてください。次に、その人数を新規と再来に分けます。

そのうえで、直近1年で入った人と辞めた人の数を数えてください。この3つが出せれば、店の状態はおおむね説明できます。

キャリアの記事一覧もあわせて読めます。

条件を確かめながら、実際の求人を見てみましょう。

求人を探す

同じカテゴリの記事

よくある質問

なぜ数字を扱う必要があるのですか。

人を増やしてほしい、休みを増やしたいといった提案を通すには根拠が必要だからです。「忙しい」「厳しい」では動きません。数字にして初めて、検討の対象になります。

売上が落ちたとき、まず何を見ますか。

人数と単価に分け、人数をさらに新規と再来に分けてください。どれが落ちたかで打ち手がまったく変わります。まとめて「売上が落ちた」と見ていると対策を間違えます。

再来が落ちている場合はどうしますか。

来た人が戻ってきていないということなので、施術か対応、あるいは予約の取りやすさに原因があります。担当者ごとにリピート率を出せば、どこで起きているか分かります。

単価を上げれば売上は増えますか。

上げたときに来店の間隔が空かないかを確認してください。1回の金額ではなく、1年の総額で見る必要があります。

原価はどう把握しますか。

薬剤や材料にかかる費用が売上のどれくらいを占めているかを出してください。これを知らないと値引きの影響が分かりません。同じ売上でも、原価の高いメニューに偏れば手元に残る額は減ります。

人件費には何が含まれますか。

給与だけでなく、社会保険の会社負担分も人件費です。額面だけで計算すると実際の負担を見誤ります。売上に対する割合を出しておくと、人を増やせるかの判断ができます。

損益分岐点はどう計算しますか。

固定費を、1人あたりの平均単価から変動費を引いた額で割ります。出た数字が、赤字にならないために必要な月間の来店人数です。

スタッフ個人の売上で評価してよいですか。

その数字だけで評価しないでください。新規が回ってこない人は数字が上がらず、それは本人の努力とは別の問題です。配分の仕組みとあわせて見る必要があります。

定着率はなぜ重要ですか。

採用と教育にかかる費用は、辞められるたびに失われます。直近1年で入った人と辞めた人の人数は、店の状態を最も端的に表します。定着を上げることは、集客と同じかそれ以上の効果があります。

そもそも数字が取れていません。

まず記録を始めるところからです。予約システムに担当別の集計が無い、原価を管理していない、労働時間を記録していない状態では判断ができません。1か月分でも溜まれば話ができるようになります。