面貸し(ミラーレンタル)の契約前チェック|席料・材料費・集客の確認事項
席料の形式、材料費の負担、集客の責任範囲。契約前に必ず書面で確かめたい項目を挙げます。
同じ「月給30万円」でも中身は大きく違います。固定給・歩合給・面貸しの計算のしかたと、手取りへの影響を比べます。
VANNA Recruit 編集部公開:更新:
求人票の「月給30万円」は、サロンによって中身がまったく違います。同じ金額でも、手取りも、忙しい月と暇な月の差も変わります。
代表的な3つの決め方を、順に比べます。
固定給、固定給+歩合、完全歩合。この3つで、収入の安定も上限も変わります。自分に提示されているのがどれかを、まず確認してください。
毎月決まった額が支払われる形です。売上が落ちた月でも金額は変わりません。
収入が読めるため生活設計がしやすい一方、売上を大きく伸ばしてもその月の給与は増えにくくなります。賞与や昇給で還元するサロンが多くあります。
正社員の求人に多い形です。見るべきは残業代の扱いで、ここを読み違えると同じ月給でも中身が変わります。
「固定残業代(みなし残業)」が含まれている場合、月給のうちいくらが基本給で、何時間分の残業代が含まれているかを明示する必要があります。
「月給28万円(固定残業代4万円/30時間分を含む)」なら、基本給は24万円です。30時間の残業をして28万円になります。
30時間を超えた分は、別途支払われなければなりません。この内訳が書かれていない求人は、額面だけでは他社と比べられません。
割増賃金の仕組みは残業代と手当の仕組みにまとめています。
基本給に、指名売上や総売上に応じた歩合を上乗せする形です。美容室でもっともよく見る形です。
計算の例を挙げます。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 基本給 | 220,000円 |
| 個人売上 | 800,000円 |
| 歩合の基準額を超えた分 | 800,000円 − 600,000円 = 200,000円 |
| 歩合率 10% | 20,000円 |
| 支給額 | 240,000円 |
対象が総売上か指名売上のみか店販を含むか、いくらを超えた分から歩合がつくか、率が段階的に上がるのか一律か。
「歩合あり」とだけ書かれている求人は、この3つが分かるまで金額を計算できません。歩合給ありの求人を見るときは、必ず3点を面接で確認してください。
同じ「歩合率10%」でも、基準額が60万円か80万円かで大きく変わります。個人売上80万円の場合で比べます。
| 基準額 | 歩合の対象額 | 歩合(10%) |
|---|---|---|
| 60万円 | 20万円 | 20,000円 |
| 80万円 | 0円 | 0円 |
基準額を聞かずに「歩合率が高いほうが得」と判断すると、実際の支給額を読み違えます。
あわせて「その基準額を、いま在籍しているスタッフの何割が超えているか」も聞いてください。制度があっても達成者がいなければ、実質的に固定給と同じです。
売上に対する取り分を決めて、その割合で受け取る形です。雇用契約ではなく業務委託契約になることが多く、社会保険や雇用保険の扱いが変わります。
売れた月の収入は大きい一方、客数が落ちた月の保証がありません。材料費・席料・集客費用の負担範囲で、手取りが大きく変わります。
席料が固定か歩合か、材料費をどちらが負担するか、集客の責任がどちらにあるか。
詳しくは面貸し(ミラーレンタル)で働くときの確認事項を参照してください。求人は業務委託と面貸し・ミラーレンタルで分かれています。
時給・日給・年俸は、そのままでは比べられません。時給なら1日の実働時間と月の勤務日数を掛け、日給なら月の勤務日数を掛けます。
年俸は12で割りますが、賞与が年俸に含まれるかを確認してください。含まれている場合、月々の手取りは想定より下がります。
額面から、社会保険料・所得税・住民税が引かれます。業務委託の場合は、国民健康保険・国民年金を自分で払い、確定申告も自分で行います。
読み方は給与明細の読み方にまとめています。
雇用の場合、健康保険料と厚生年金保険料は事業主と本人が半分ずつ負担します。業務委託にはこの折半がありません。
同じ収入なら、保険料の負担が重くなるということです。
社会保険完備の求人で条件を揃えてから比べてください。
正確な金額は扶養の状況や自治体で変わりますが、雇用で額面のおよそ75〜85%が手取りという幅を目安に置いてください。
額面28万円なら、手取りは21万〜24万円程度という見方です。正確な額は、明細で確認してください。
ここから材料費と席料、そして自分で払う保険料が出ていきます。
「額面が3割高い業務委託」が、手取りでは雇用と変わらないということは珍しくありません。比較は雇用形態の比較にまとめています。
いま提示されている額より、1年後・3年後にどうなるかのほうが重要です。
「アシスタントからスタイリストになると何が変わるか」「指名が何人つくとどうなるか」を、具体的な金額で聞いてください。
昇給の基準を言葉で説明できるサロンは、育成の設計があるサロンです。「頑張り次第」としか返ってこない場合、評価の物差しが用意されていない可能性があります。
デビューまでの流れはアシスタントからスタイリストになるまでにまとめています。
将来の年金、傷病手当金、失業給付の対象になるかが変わります。額面に出ない収入です。
仕組みは美容師の社会保険と加入する健康保険の種類にまとめています。
全額か上限ありか。上限があると、遠方のサロンは実質の手取りが下がります。読み方は交通費と通勤手当にまとめています。
カラー剤やパーマ液が自己負担のサロンでは、月に数万円の差が出ます。材料費サロン負担の求人の記載を確認してください。
実態は美容師の道具と自己負担にまとめています。
同じ月給でも、年間休日が105日と120日では1日あたりの労働の価値が違います。完全週休二日制といった条件から絞り込むと、この部分を揃えたうえで給与を比べられます。
歩合の設計が同じでも、平均単価と1日の担当件数で売上が変わります。店の価格帯を先に見てください。読み方はサロンの価格帯と客層にまとめています。
条件が提示された時点が、唯一の機会です。入った後は昇給の仕組みに従うことになります。
進め方は給与の条件を相談するにまとめています。
まず、いまの給与の内訳を明細で確認してください。基本給、固定残業代、手当、歩合。
次に、歩合の対象・基準額・率の3つを書き出します。そのうえで、額面から材料費と交通費の自己負担を引いてください。その数字が、他店と比べる基準になります。
給与・待遇と制度の記事一覧もあわせて読めます。
制度や手続きの詳細は改定されることがあります。実際の判断は、各機関の最新の案内や 専門家へのご相談とあわせてご確認ください。
条件を確かめながら、実際の求人を見てみましょう。
席料の形式、材料費の負担、集客の責任範囲。契約前に必ず書面で確かめたい項目を挙げます。
社会保険、収入の安定性、働く時間の自由度。3つの働き方を同じ軸で並べて比較します。
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上限、対象になる経路、非課税の限度。車やバイクの扱い、パートの日額支給、引っ越したときの届出を扱います。
最後の給与の支払日、有給の残り、返すもの、受け取る4つの書類。社会保険と住民税の切り替えまで扱います。
時間外・深夜・休日の3つの割増、固定残業代の超過分、手当が計算に含まれるかどうかを扱います。
自己負担の額、課税の扱い、退去の条件、初期費用。家賃が変わると手取りの意味も変わります。
協会けんぽ・健康保険組合・国民健康保険・国民健康保険組合。傷病手当金の有無と保険料の決まり方を扱います。
契約期間・更新の判断基準・更新上限・無期転換。契約する前に読む場所と、更新されないと告げられたときの手順を扱います。
パート・契約社員と正社員の待遇差。何が不合理と扱われるか、説明を求める権利、項目を1つに絞って聞く方法を扱います。
評価の基準の聞き方、目標の置き方、給与の伝え方、決まったことの残し方。年に数回しかない場を無駄にしないための準備を扱います。
1日8時間・週40時間の原則、36協定、時間外の上限、休憩と休日の最低線。金額ではなく時間の枠を扱います。
面貸し・業務委託には雇用の保護が及びません。そのかわり取引を適正にするための定めがあります。何を求められるかを整理します。
施術のトラブル、自分のけが、働けない期間。雇用と業務委託で誰が備えているかが変わります。確認する順序を扱います。
内訳の確認が必要です。固定残業代(みなし残業)が含まれている場合、その時間分の残業をして初めて30万円になります。また社会保険料や税が差し引かれるため、手取りはこれより少なくなります。
自分が担当した施術の売上や指名数に応じて支払われる給与です。売上に対する割合(還元率)が決まっており、固定給に上乗せする形と、完全に歩合だけの形があります。
違います。都市部のほうが客単価が高く給与水準も高い傾向がありますが、家賃などの生活費も上がります。手取りと生活費を合わせて比較してください。
段階によります。技術を身につける時期は収入が読める固定給、指名が安定してからは歩合の比率が高いほうが伸びます。同じ月給でも、どちらの設計かで数年後が変わります。
売上の対象範囲、基準額(この額を超えた分に歩合が付く、という線)、率。この3つが揃って初めて計算できます。1つでも欠けていたら、面接で聞いてください。
その額に到達している人が現在何人いるかを聞いてください。可能性の話と実績の話は別です。人数が出てこない場合、その数字は目安にできません。
同じ単位に直してから比べてください。時給・日給・年俸が混ざったままでは比較になりません。加えて、社会保険の有無・交通費・材料費の負担・年間休日を並べると、額面の差が逆転することがあります。
雇用であれば、社会保険料と税が引かれます。業務委託はさらに国民健康保険料・国民年金保険料・材料費や席料が自己負担になります。額面ではなく、引かれたあとの額で比べてください。
基準を言葉で説明できるかどうかが目安になります。「頑張り次第」としか返ってこない場合、物差しが用意されていない可能性があります。直近で昇給した人が何をできるようになった時点だったかを聞いてください。