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給与・待遇と制度

サービス残業と未払い賃金|記録から始める

営業後の練習、開店前の準備、固定残業代の超過分。請求できるかは記録があるかで決まります。手順と相談先を整理します。

VANNA Recruit 編集部公開:更新:

この記事で分かること

  • 店の指揮命令のもとにある時間は労働時間。境目は断れるかどうか
  • 請求するかにかかわらず、まず出退勤の記録を取り始める
  • 賃金の請求権には時効がある。放置しない

営業後の練習に賃金が出ない、開店前の準備が労働時間に入っていない、残業代が固定の手当で止まっている。

こうした状態は珍しくありませんが、働いた時間に対して賃金が支払われるのが原則です。請求できるかどうかは、記録があるかで決まります。

まず何が未払いかを特定する

残業代なのか、休日出勤の割増なのか、練習時間そのものの賃金なのか。種類によって主張の中身が変わります。

「なんとなく損をしている気がする」では進みません。どの時間に対する賃金なのかを特定してください。

労働時間にあたるもの

店の指揮命令のもとにある時間は、労働時間として扱われるのが原則です。開店前の準備、営業後の片付け、参加が事実上求められている練習や会議。

自由に帰ってよい状態であれば、労働時間にはあたりません。境目は、断れるかどうかです。

練習時間の扱い

「任意の自主練」とされていても、実際には参加しないと評価が下がる、あるいは指導者が付いて指示が出ている。この状態は指揮命令のもとにあります。

自分の店がどちらかを、まず整理してください。実態は美容師の労働時間と休日の実態にまとめています。

固定残業代がある場合

含まれている場合、何時間分かが明細か契約書に書かれているはずです。その時間を超えて働いた分は、追加で支払われる必要があります。

超過分の支払いが無い状態が続いていれば、そこが未払いです。読み方は給与明細の読み方にまとめています。

記録が最も重要

請求するかどうかにかかわらず、まず記録を取り始めてください。日付、出勤時刻、退勤時刻、その日にした業務。

手書きの手帳でも構いません。毎日つけていることが分かる形であれば、材料になります。

客観的な記録を集める

タイムカード、勤怠システムの記録、シフト表、給与明細。手元にあるものは保管してください。

会社が持っている記録は、後から取り寄せられなくなることがあります。いまのうちに写しを取ってください。

補強になるもの

店の鍵の開閉、予約表、業務の連絡。出退勤の時刻を裏づけるものは、記録として意味を持ちます。

ただし、顧客の情報を含むものを持ち出すことはできません。扱いは雇用契約書と労働条件通知書の確認にまとめています。

就業規則を確認する

始業と終業の時刻、休憩、賃金の計算方法。書かれている内容と実態が違えば、そこが論点になります。

「就業規則を見せていただけますか」と聞いて構いません。

まず店に確認する

いきなり外部へ相談する前に、店に確認してください。計算の誤りや、運用の行き違いである場合があります。

「先月の残業時間について、計算の根拠を教えてください」と聞くところから始めてください。感情ではなく、事実の確認として伝えます。

変わらない場合の相談先

労働基準監督署が窓口です。労働条件に関する相談を受け付けています。

各都道府県の労働局にも、総合労働相談コーナーがあります。どちらも相談は無料で、役割の違いは労働相談の窓口をどう使うかにまとめています。

請求には期限がある

賃金の請求権には時効があります。期間を過ぎると請求できなくなるため、放置しないでください。

期間は法改正で変わることがあります。自分の場合がどうかは、窓口で確認してください。

在職中に動くかどうか

在職中に請求すると、職場での関係に影響が出る可能性があります。ただし、これを理由に不利益な扱いをすることは認められていません。

辞めてから請求する人もいます。どちらを選ぶかは、いまの職場で働き続けたいかによります。判断は辞めるか続けるかにまとめています。

辞める場合の順番

記録を集める、書面を手元に揃える、そのうえで辞める。この順番です。辞めてから集めようとすると、手に入りません。

手順は退職の進め方にまとめています。

会社が支払えない場合

倒産などで支払われない場合、未払いの賃金について国が一定の範囲で立替払を行う制度があります。

条件と手続きは労働基準監督署で確認してください。店が閉店・倒産した場合の進め方は店が閉店・倒産したときにまとめています。

業務委託の場合

雇用ではないため、労働時間や残業代の規定は原則として適用されません。報酬が支払われない場合は、契約に基づく請求になります。

ただし、契約の名称が業務委託でも、働き方の実態によっては労働者として扱われることがあります。出勤時刻が決められている、仕事の進め方に指示がある、断る自由がない。こうした要素があれば、労働局に相談できます。

次の店で繰り返さない

面接で、営業時間外の練習と会議の扱いを確認してください。「その時間は勤務時間に含まれますか」と聞けば足ります。

答えが曖昧な店は、運用も曖昧である可能性が高くなります。残業ほぼなしの求人社会保険完備の求人は、制度への意識がある店の目安になります。

入る前に書面で確認する

労働条件の明示は法律上の義務です。始業と終業の時刻、賃金の計算方法が書面にあるかを確認してください。

このやり取りができない職場は、入ってからも条件の話ができません。

一人で抱えない

同じ状況の人が、店の中に他にもいるはずです。ただし、相談する相手は選んでください。

外部の窓口は、匿名での相談も受け付けています。まず状況を説明して、どうすべきかを聞くところから始めてください。

休憩が取れていない場合

労働時間が6時間を超える場合は45分以上、8時間を超える場合は1時間以上の休憩が必要とされています。予約が詰まって取れていない状態が続いているなら、その時間は労働時間です。

記録には、休憩を取れたかどうかも書いてください。実態は人手が足りず回らないときにまとめています。

移動時間の扱い

複数店舗の応援や、訪問して施術する仕事では、移動時間が労働時間に含まれるかが問題になります。

扱いを確認してください。訪問美容の場合は訪問美容として働くにまとめています。

会議や朝礼

参加が事実上求められている会議や朝礼も、指揮命令のもとにあります。始業時刻の前に行われている場合、その分の扱いを確認してください。

名ばかりの役職に注意する

「店長だから残業代は出ない」という説明があります。役職の名称ではなく、権限と待遇の実態で判断されます。

シフトや採用の決定権が無く、待遇も一般のスタッフと大きく変わらない場合、扱いが問われます。判断に迷う場合は、労働基準監督署で相談してください。

今日からできること

まず、今日から出退勤の時刻を自分で記録してください。次に、直近の給与明細と労働条件通知書が手元にあるか確認します。

そのうえで、残業時間の計算根拠を店に聞いてください。多くの場合、ここで話が見えてきます。

給与・待遇と制度の記事一覧もあわせて読めます。

参照した資料

制度や手続きの詳細は改定されることがあります。実際の判断は、各機関の最新の案内や 専門家へのご相談とあわせてご確認ください。

条件を確かめながら、実際の求人を見てみましょう。

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よくある質問

営業後の練習に賃金は出るべきですか。

指揮命令のもとで行う練習は、労働時間として扱われるのが原則です。「任意の自主練」とされていても、参加しないと評価が下がる、指導者が付いて指示が出ているなら、指揮命令のもとにあります。

労働時間にあたるかの境目は何ですか。

自由に帰ってよい状態であれば労働時間にはあたりません。境目は、断れるかどうかです。開店前の準備や営業後の片付けも、事実上求められていれば労働時間になります。

固定残業代があれば残業代は出ませんか。

何時間分かが明細か契約書に書かれているはずです。その時間を超えて働いた分は、追加で支払われる必要があります。超過分の支払いが無い状態が続いていれば、そこが未払いです。

まず何をすればよいですか。

請求するかどうかにかかわらず、出退勤の記録を取り始めてください。日付、出勤時刻、退勤時刻、その日にした業務。手書きの手帳でも構いません。

どんな記録が有効ですか。

タイムカード、勤怠システムの記録、シフト表、給与明細です。会社が持っている記録は後から取り寄せられなくなることがあるため、いまのうちに写しを取ってください。

いきなり労働基準監督署に相談すべきですか。

まず店に確認してください。計算の誤りや運用の行き違いである場合があります。「先月の残業時間について、計算の根拠を教えてください」と、事実の確認として伝えてください。

変わらない場合の相談先はどこですか。

労働基準監督署が窓口です。各都道府県の労働局にある総合労働相談コーナーも利用できます。どちらも相談は無料です。

請求に期限はありますか。

賃金の請求権には時効があります。期間を過ぎると請求できなくなるため、放置しないでください。期間は法改正で変わることがあるため、窓口で確認してください。

在職中に請求すると不利になりませんか。

職場での関係に影響が出る可能性はありますが、これを理由に不利益な扱いをすることは認められていません。辞めてから請求する人もいます。

業務委託でも請求できますか。

雇用ではないため、労働時間や残業代の規定は原則として適用されません。ただし、出勤時刻が決められている、仕事の進め方に指示がある、断る自由がないといった要素があれば、労働者として扱われることがあります。