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給与・待遇と制度

業務委託で働く人を守る仕組み|取引条件の明示と支払期日

面貸し・業務委託には雇用の保護が及びません。そのかわり取引を適正にするための定めがあります。何を求められるかを整理します。

VANNA Recruit 編集部公開:

この記事で分かること

  • 仕事の内容・報酬の額・支払期日は、書面または電磁的方法で明示される
  • 継続的な委託では、報酬の減額や不当なやり直しの要求が禁じられている
  • 取引を適正にする仕組みであって、雇用の保護と同じものではない

面貸しや業務委託で働く人には、雇用されている人と同じ保護は及びません。ただし、まったく無防備というわけでもありません。

取引の相手に対して守るべきことを定めた法律があります。何が求められているのかを知っておくと、条件を確かめる根拠になります。

雇用の保護とは別の枠組み

労働基準法や最低賃金法は、雇用されている人を対象にした法律です。業務委託には原則として及びません。

そのうえで、業務を委託する側と受ける側の取引を適正にするための仕組みが、別に用意されています。働き方が違えば守り方も違う、という整理です。

取引条件は明示される

業務を委託する側は、仕事の内容、報酬の額、支払期日などを、書面または電磁的方法で明示することが求められています。

口頭だけで始まる契約は、この時点で外れています。示されない場合は求めてください。求めることは特別な要求ではありません。

報酬の支払期日にも定めがある

成果物を受け取った日から起算して、一定の期間内のできる限り短い期間で支払期日を定めることが求められています。

「翌々月末」「入金があってから」といった条件が示されたら、その根拠を確認してください。支払いが遅いほど、手元の資金繰りは苦しくなります。

継続的な委託にはさらに定めがある

一定期間以上続く委託については、受領の拒否、報酬の減額、返品、著しく低い報酬の設定、不当な給付内容の変更ややり直しといった行為が禁じられています。

いずれも、力の差を利用した扱いを防ぐためのものです。断りにくい立場にあることが前提になっています。

募集の情報は正確に示される

業務委託の募集を出すとき、虚偽の表示や誤解を招く表示をしてはならないとされています。

「月◯万円可能」といった記載を見たら、その額に届いている人が何人いるかを聞いてください。読み方は求人票の読み方にまとめています。

途中で切られるときの予告

一定期間以上続いた委託を中途で解除する場合、原則として事前に予告することが求められています。

急に「明日から来なくてよい」と言われる状態を防ぐための定めです。予告の期間が契約書に書かれているかを確認してください。

ハラスメントへの対応も求められる

業務委託で働く人に対しても、ハラスメントに関する相談へ対応する体制を整えることが求められています。

雇用でないから対象外、ということにはなりません。対処は職場のハラスメントへの対応にまとめています。

育児や介護との両立への配慮

継続的な委託については、育児や介護と業務を両立できるよう配慮することが求められています。

配慮の中身は、話し合って決めるものです。一方的に決まるものではないので、まず相談してみてください。

誰が対象になるのか

従業員を雇わずに、個人で業務を受けている人が対象です。面貸しで働く美容師や、業務委託で施術を担当する人が当てはまることがあります。

自分が対象かどうかは、契約の形と実際の働き方で決まります。窓口で確認してください。

相手が個人か会社かでも変わる

委託する側の規模によって、求められる内容の一部が変わります。個人経営のサロンと、複数店舗を持つ会社では扱いが同じではありません。

契約の相手がどちらなのかを、契約書で確認してください。

それでも雇用とは違う

これらは取引を適正にする仕組みであって、雇用の保護と同じものではありません。有給休暇も、残業代も、社会保険もありません。

違いは正社員・業務委託・面貸しの違いにまとめています。

契約書で確かめる

席料の形式、材料費の負担、集客の責任、報酬の計算、解約の予告期間。契約前にすべて書面で受け取ってください。

確認項目は面貸し(ミラーレンタル)で働くときの確認事項にまとめています。

「実態が雇用」の場合は別

出退勤の時刻が決められている、仕事の進め方を細かく指示される、断る自由がない。こうした実態があれば、契約書の表題にかかわらず労働者として扱われることがあります。

その場合は、最低賃金・残業代・労災保険などの保護を受けられます。契約の名前ではなく、実際の働かせ方で判断されます。

どちらなのか分からないとき

自分の働き方が業務委託なのか雇用なのかを、自分で判断する必要はありません。契約書を持って窓口へ相談してください。

窓口の使い分けは労働相談の窓口をどう使うかにまとめています。

相談できる先がある

フリーランスとして働く人向けの相談窓口が設けられています。取引上のトラブルについて、無料で相談できます。

行政の窓口も、公正取引委員会・中小企業庁・厚生労働省などに置かれています。どこへ行けばよいか分からないときは、まず1か所に電話して聞いてください。

記録を残す

やり取りの日付、示された条件、実際に支払われた額と日。あとから作れない記録です。

相談するときも、この記録があるかどうかで進み方が変わります。日付だけでも残しておいてください。

報酬が支払われないとき

まず書面で請求し、それでも支払われなければ相談の対象です。雇用の場合とは窓口が変わることがあります。

雇用されている場合の手順は給与が支払われないときにまとめています。

保険は自分で備える

労災保険は原則として対象外ですが、特別に加入できる制度があります。対象や手続きは窓口で確認してください。

賠償責任保険や、働けない期間に備える保険も自分で選ぶことになります。仕組みは病気やけがで働けなくなったときにまとめています。

税と保険の手続きも自分で

国民健康保険と国民年金に自分で加入し、確定申告を行います。手取りの計算に必ず入れてください。

手続きは業務委託・面貸しの税金と保険にまとめています。

始める前に下限で計算する

体調を崩して休んだ月に、いくら入るか。その額で生活が成り立つかどうかで判断してください。

上限の数字は、判断の材料になりません。良い月ではなく、悪い月で決めてください。

雇用へ戻る道もある

業務委託から雇用へ戻る人もいます。段階に応じて切り替えていく人が多い業界です。

整理は独立・業務委託から雇用へ戻るにまとめています。正社員の求人社会保険完備の求人から比べられます。

制度は変わる

対象となる取引の範囲も、求められる内容も、法令の改正で変わります。この記事は考え方を示すものです。

自分の契約については、契約書と相談窓口で確認してください。

今日からできること

まず、手元の契約書に「報酬の額」「支払期日」「解約の予告期間」が書かれているかを確認してください。次に、書かれていない項目を洗い出します。

そのうえで、示されていない条件を書面で求めてください。求めること自体が、取引の前提として認められています。

面貸し・業務委託の求人業務委託の求人から探せます。給与・待遇と制度の記事一覧もあわせて読めます。

条件を確かめながら、実際の求人を見てみましょう。

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よくある質問

業務委託には何の保護もないのですか。

労働基準法や最低賃金法は原則として及びませんが、業務を委託する側と受ける側の取引を適正にするための仕組みが別に用意されています。まったく無防備というわけではありません。

契約書がなくても働けますか。

仕事の内容、報酬の額、支払期日などを、書面または電磁的方法で明示することが求められています。口頭だけで始まる契約は、この時点で外れています。示されない場合は求めてください。

報酬の支払いが遅いのですが。

成果物を受け取った日から起算して、一定の期間内のできる限り短い期間で支払期日を定めることが求められています。「入金があってから」といった条件は、根拠を確認してください。

報酬を後から減らされました。

一定期間以上続く委託については、受領の拒否、報酬の減額、返品、著しく低い報酬の設定、不当な給付内容の変更ややり直しといった行為が禁じられています。

急に契約を切られました。

一定期間以上続いた委託を中途で解除する場合、原則として事前に予告することが求められています。予告の期間が契約書に書かれているかを確認してください。

ハラスメントを受けた場合は。

業務委託で働く人に対しても、ハラスメントに関する相談へ対応する体制を整えることが求められています。雇用でないから対象外、ということにはなりません。

自分が対象になるか分かりません。

従業員を雇わずに個人で業務を受けている人が対象です。契約の形と実際の働き方で決まるため、契約書を持って窓口へ相談してください。

どこに相談できますか。

フリーランスとして働く人向けの相談窓口が設けられており、取引上のトラブルについて無料で相談できます。行政の窓口も、公正取引委員会・中小企業庁・厚生労働省などに置かれています。

労災保険には入れませんか。

原則として対象外ですが、特別に加入できる制度があります。対象や手続きは窓口で確認してください。賠償責任保険や働けない期間に備える保険も、自分で選ぶことになります。