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転職の基本

美容師の求人票の見方|固定残業代・週休二日制・社会保険の読み分け

「週休二日制」と「完全週休二日制」、固定残業代を含む月給。誤解が起きやすい項目の読み分け方をまとめました。

VANNA Recruit 編集部公開:更新:

この記事で分かること

  • 月給に含まれる固定残業代の見分け方
  • 「週休二日制」と「完全週休二日制」の違い
  • 「社会保険完備」「研修制度あり」の中身を確認する聞き方
  • 求人票と実際の条件が違ったときの対応

求人票は、書いてある言葉が同じでも意味が違うことがあります。「週休二日制」と「完全週休二日制」、「月給28万円」と「月給28万円(固定残業代含む)」。

この差を読み分けられるかどうかで、入職後の生活がかなり変わります。誤解が起きやすい項目を順に見ていきます。

月給の内訳を分解する

月給の表記には、基本給、固定残業代、各種手当、歩合の見込み額が含まれている可能性があります。

このうち固定残業代が最も誤解を生みます。同じ「月給28万円」でも、中身が違えば別の条件です。

固定残業代の読み方

「月給28万円(固定残業代4万円/30時間分を含む)」と書かれていれば、基本給は24万円です。30時間の残業をして28万円になる、という意味になります。

昇給や賞与は基本給を基準に計算されることが多いため、この差は後々効いてきます。

固定残業代は3点セットで書かれる

固定残業代を採用する場合、次の3点を明示することが求められています。固定残業代を除いた基本給の額、固定残業代の額とそれが何時間分か、時間を超えた場合は追加で支払う旨。

この3点が書かれていない求人は、面接で必ず確認してください。

歩合は3つ揃って初めて計算できる

「歩合あり」だけでは金額を計算できません。対象が総売上か指名売上のみか店販を含むか、いくらを超えた分から歩合がつくか、率が段階的に上がるのか一律か。

歩合給ありの求人を見るときは、この3点を必ずセットで確認してください。詳しくは美容師の給料の仕組みで計算例を挙げています。

達成者の人数を聞く

「その基準額を、いま在籍しているスタッフの何割が超えているか」も聞いてみてください。制度があっても達成者がいなければ、実質的には固定給と同じです。

在籍10人で達成者が1人なら、その制度は例外的なものです。

「〜」の下限と上限

「月給24万円〜40万円」と書かれていても、多くの応募者に提示されるのは下限に近い額です。上限は、指名が多いスタイリストや役職者を含めた幅であることが一般的です。

面接では「自分の経験だと、いくらからのスタートになりますか」と具体的に聞いてください。水準の見方は美容師の給料は本当に低いのかにまとめています。

「週休二日制」と「完全週休二日制」は別物

表記意味
完全週休二日制毎週かならず2日の休みがある
週休二日制月に1回以上、2日休みの週がある(毎週ではない)

この1文字の違いで、年間の休日数が20日以上変わることがあります。完全週休二日制の求人から絞り込むと、この違いで迷わずに済みます。

年間休日の実数を見る

週2日の休みは年間で約104日です。ここに祝日や夏季・年末年始が加わると120日前後になります。

求人票に年間休日の記載がなければ、面接で実数を聞いてください。実態は美容師の労働時間と休日の実態にまとめています。

「シフト制」の運用を聞く

シフト制の場合、希望をどこまで通せるかが職場によって違います。提出はいつまでか、土日の休みは月に何回取れるか、連休は取れるか。

伝え方はシフトの希望をどう伝えるかにまとめています。土日祝休みの求人は美容サロンでは希少ですが、オフィス街の店舗など成立する立地があります。

勤務時間は拘束時間で見る

「10時から19時」と書かれていても、実際は開店の30分前に出勤し、閉店後に片付けが残ります。求人票に書かれるのは営業時間の中の部分だけです。

1日の実際はサロンの1日の流れにまとめています。面接では「何時ごろに帰る人が多いですか」と聞いてください。

「社会保険完備」の中身

一般には健康保険・厚生年金・雇用保険・労災保険の4つを指します。ただし「保険あり」とだけ書かれている場合、労災保険のみを指していることがあります。

どれが含まれるか、加入のタイミングが入社日からか試用期間後かも聞いておきます。社会保険完備の求人から探すと、この条件で揃えて比べられます。

「研修制度あり」の中身

研修は、次の4点まで聞いて初めて比較できます。頻度と1回あたりの時間、営業時間内か閉店後か、給与が発生するか、誰が教えるか。

閉店後の練習が事実上必須の職場では、時短勤務は成立しません。扱いの判断は営業後の練習と勉強会にまとめています。

「資格取得支援」の条件

支援の中身が「費用の全額補助」なのか「一部貸与で、一定年数勤めないと返済が必要」なのかで、意味が大きく変わります。

資格取得支援ありの求人に応募する場合は、条件を書面で確認してください。

「材料費サロン負担」

カラー剤やパーマ液を自己負担にしている職場では、月に数万円の差が出ます。特にネイリストカラーリストは材料の消費量が多いため、影響が大きくなります。

材料費サロン負担の求人という条件で絞り込めます。負担の実態は美容師の道具と自己負担にまとめています。

「交通費支給」の中身

全額なのか、上限があるのか。上限を超えた分は自己負担になります。車で通う場合、燃料代と駐車場の扱いも別に確認が要ります。

読み分け方は交通費と通勤手当にまとめています。

担当範囲が具体的か

「サロンワーク全般」とだけ書かれている求人は、実際に何を担当するのかが分かりません。面接で1日の流れを聞いてください。

特に未経験歓迎の求人では、最初の半年に何を任されるかがサロンごとに大きく違います。シャンプーなのか、受付なのか、清掃と発信なのか。

資格の要否が書かれているか

カット・カラー・パーマ、まつげエクステの施術には美容師免許が必要です。免許が要らない職種と混同しないよう、自分が担当する施術範囲を明確にしてください。

免許が必要な施術を無資格で行わせる職場は法令違反です。曖昧な説明しかない場合は避けてください。範囲の整理は美容の資格・検定の選び方にまとめています。

試用期間の記載を見る

期間の長さと、その間の給与や条件が本採用後と違うかどうか。ここが書かれていない求人は、面接で確認してください。

扱いは試用期間の労働条件にまとめています。

募集の背景を読む

増員なのか、欠員の補充なのか。同じ求人でも、入ってからの状況が違います。

「急募」の表記が続いている店は、辞める人が多い可能性があります。見極め方は急募の求人を見極める、注意する表記は求人票で確認が要る表記にまとめています。

写真と文章のずれを見る

写真が新しく、文章が使い回しになっている求人があります。逆に、文章は具体的でも写真が古い場合もあります。

情報が更新されているかは、店の運営の状態を映します。調べ方は応募前に店を調べるにまとめています。

求人票と実際の条件が違ったら

労働条件は、書面またはメール等で明示することが法律で決められています。求人票の内容と、実際に提示された条件が違う場合は、その場で確認してかまいません。

確認しづらい雰囲気であれば、それ自体が判断材料になります。

口頭の説明だけで返事をしない

これが最も重要です。入職前に書面を受け取り、内容を読んでから返事をしてください。

読む場所は雇用契約書と労働条件通知書の確認にまとめています。入職前に条件が変わった場合の扱いは内定が取り消されたときにまとめています。

相談できる窓口

条件面で疑問が残る場合や、明らかに不利な契約を求められた場合は、お住まいの都道府県労働局や労働基準監督署の総合労働相談コーナーへ相談できます。

無料で利用できます。署名の前に相談して構いません。

確認する順番

月給の内訳、歩合の対象と基準額と率、「完全」週休二日制かどうかと年間休日の実数、社会保険の範囲と加入時期。まずこの4つです。

続いて、研修の時間帯と給与の有無、材料費と交通費の負担、担当する施術範囲と必要な資格、試用期間の条件。合わせて8項目になります。

読み取れない項目が3つ以上あるとき

このうち3つ以上が求人票から読み取れない場合は、面接で確認するまで応募先を絞り込まないほうが安全です。

書かれていないこと自体が情報です。比べ方は内定を複数もらったときの比べ方にまとめています。

今日からできること

まず、いま気になっている求人を1件開いて、月給の内訳が読み取れるかを見てください。次に、休日の表記が「完全」かどうかを確認します。

そのうえで、読み取れなかった項目を書き出してください。それが、面接で聞く質問になります。

転職の基本の記事一覧もあわせて読めます。

参照した資料

制度や手続きの詳細は改定されることがあります。実際の判断は、各機関の最新の案内や 専門家へのご相談とあわせてご確認ください。

条件を確かめながら、実際の求人を見てみましょう。

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よくある質問

「週休二日制」と「完全週休二日制」は何が違いますか。

完全週休二日制は毎週かならず2日の休みがある制度です。週休二日制は「月に1回以上、2日休みの週がある」という意味で、毎週2日休めるとは限りません。年間の休日数が20日以上変わることがあります。

固定残業代とは何ですか。

あらかじめ決めた時間分の残業代を、月給に含めて支払う仕組みです。求人票には、固定残業代を除いた基本給、固定残業代の額と対応する時間数、その時間を超えた場合は追加で支払う旨を明示することが求められています。

求人票の条件と面接で提示された条件が違いました。どうすればよいですか。

その場で確認してかまいません。労働条件は書面等で明示することが法律で決められています。書面を受け取って内容を確認してから返事をしてください。納得できない場合は、都道府県労働局や労働基準監督署の総合労働相談コーナーへ無料で相談できます。

月給の内訳はどこを見ますか。

基本給・固定残業代・各種手当に分解してください。総額が同じでも、基本給がいくらかで賞与や退職金の算定が変わります。

「月給25万円〜40万円」の実際はどのくらいですか。

応募する人の多くは下限に近い額から始まります。上限は在籍年数の長い人や指名の多い人の額であることが一般的です。下限で生活が成り立つかで判断してください。

年間休日はどこを見ますか。

日数の実数を見てください。「週休二日制」は月に1回以上週2日の休みがあるという意味で、毎週2日ではありません。「完全週休二日制」とは別物です。

「研修制度あり」の中身はどう確認しますか。

期間、営業時間内か閉店後か、その間の給与、独り立ちの基準。この4つを面接で聞いてください。記載だけでは中身が分かりません。

試用期間の記載は何を見ますか。

期間の長さと、その間の労働条件です。給与が下がる場合は、その金額と期間が書かれているはずです。最低賃金を下回ることはできません。

写真と文章の印象が違うときは。

店の様子は見学で確かめてください。営業中の時間帯に行くと、進行の様子とスタッフ同士のやり取りが見えます。

読み取れない項目が多い求人はどうしますか。

3つ以上あるなら、応募前に問い合わせるか、候補から外してください。書けることを書いていない求人は、入ってからも説明が少ない傾向があります。