美容師を辞めたいと思ったときに読む|理由別の選択肢と判断の順序
辞めたい理由を5つに分け、それぞれで今の職場を変えられる部分と、移らないと変わらない部分を整理します。辞める前に確認する数字もまとめました。
平均額ではなく、経験年数・雇用形態・地域・指名の有無で分けて考える方法。額面ではなく手元に残る額で比べる手順をまとめます。
VANNA Recruit 編集部公開:更新:
美容師は給料が安い。よく言われることです。ただ、この話は「どの段階の、どの働き方の人か」を決めないと成り立ちません。
アシスタントの2年目と、指名を持つスタイリストの8年目では、まったく違う数字になります。
業界の平均額を見ても、自分に当てはまるとは限りません。平均には、入りたてのアシスタントも、店長も、面貸しで働く人も混ざっています。
見るべきは、自分と同じ条件の人がいくら受け取っているかです。条件とは、経験年数、雇用形態、地域、指名の有無の4つです。
美容の収入は、段階を追って上がる形になっています。
| 段階 | 収入の特徴 |
|---|---|
| アシスタント | 固定給が中心。額は低いが安定している |
| デビュー直後 | 固定給に少額の歩合が乗り始める |
| 指名が付いてから | 歩合の比重が増え、差が開く |
| 店長・幹部 | 役職手当が加わる。売上責任も負う |
| 独立・面貸し | 上限が外れる代わり、下限も無くなる |
「安い」と言われるのは、多くの場合アシスタント期の話です。この時期をどう抜けるかで、その後の数字が決まります。
技術を身につける期間だからです。この間は売上を直接作れないため、固定給が中心になります。
問題は、この期間が何年続くかです。2年で抜ける店と5年かかる店では、生涯の収入が大きく変わります。
面接で必ず聞いてください。「デビューまで平均何年ですか」、そして「直近でデビューした方は何年目でしたか」。
平均だけでなく直近の実績を聞くと、制度が動いているかが分かります。流れはアシスタントからスタイリストになるまでにまとめています。
「月給28万円」という表示だけでは判断できません。内訳に何が入っているかを確認してください。
基本給、固定残業代、役職手当、技術手当、歩合の見込み額。このうち固定残業代が含まれていると、実際の基本給はかなり下がります。
「月給28万円(固定残業代4万円・30時間分を含む)」と書かれていれば、基本給は24万円です。30時間の残業をして、ようやく28万円になるという意味です。
この記載が無い求人は、面接で確認してください。読み分け方は求人票の読み方で説明しています。
「月給24万円〜40万円」と書かれていても、多くの応募者に提示されるのは下限に近い額です。上限は、指名の多いスタイリストや役職者を含めた幅です。
面接では「自分の経験だと、いくらからのスタートですか」と具体的に聞いてください。数字で答えられない店は、入ってからも曖昧なままです。
「歩合あり」だけでは金額を出せません。1つ目は、対象が総売上か、指名売上のみか、店販を含むか。2つ目は、いくらを超えた分から歩合が付くか。3つ目は、率が一律か、段階的に上がるかです。
計算の例は美容師の給料の仕組みに挙げています。
制度があっても、達成している人がいなければ意味がありません。「その基準を超えている方は、いま何人いますか」と聞いてください。
在籍10人で達成者が1人なら、その制度は例外的なものです。歩合給ありの求人ほど、この確認が要ります。
額面がそのまま入るわけではありません。社会保険料と税金が引かれます。
おおまかには額面の8割前後が手取りになります。月給25万円なら、手取りは20万円前後という見当です。
同じ額面でも、店によって手元に残る額が違います。カラー剤やパーマ液の費用を店が持つか、自分が持つかです。
自己負担の店では、月に数万円が出ていくこともあります。材料費サロン負担の記載があるかを確認してください。
保険料の会社負担分は、実質的な収入です。社会保険完備の職場とそうでない職場では、同じ額面でも価値が違います。
将来受け取る年金額にも差が出ます。仕組みは美容師の社会保険にまとめています。
正社員は、額は中程度でも安定します。業務委託や面貸しは、上限が外れる代わりに保証がありません。
面貸しは、席料と材料費を自分で払ったあとが自分の取り分です。売上から経費を引いた残りで比べないと、正しい比較になりません。
売上が月60万円、席料が15万円、材料費が5万円なら、残りは40万円です。ここから国民健康保険と国民年金を払い、さらに確定申告が必要になります。
条件の確認項目は面貸しで働くときの確認事項にまとめています。
同じ経験年数でも、地域によって水準が変わります。都市部は額面が高い一方、家賃と生活費も高くなります。
地方は額面が下がる代わり、支出も下がります。手元に残る額で比べてください。
入社時の額より、その後どう上がるかのほうが重要です。「昇給は年に何回ですか」「直近の昇給額はどのくらいでしたか」と聞いてください。
昇給ありと書かれていても、金額の実績を聞かないと分かりません。賞与も同じで、賞与ありの記載だけでは月数が分かりません。
いまの職場で上げるか、店を変えるか、働き方を変えるかです。いまの職場で上げるなら、指名を増やすか役職に就くかになります。
店を変えるなら、歩合の設計が良い店を選ぶこと。働き方を変えるなら、業務委託や面貸しが選択肢に入ります。
どの店に行っても通じる方法です。指名は、技術と、覚えてもらう工夫の両方で増えます。
そして、指名客は転職しても一定数ついてきます。ただし、顧客情報の持ち出しは契約で禁じられている場合があるため、事前に確認してください。
店長や幹部になると役職手当が付きます。一方で、売上責任、シフト管理、採用まで担当することになります。
施術以外の仕事が増えることを、負担と感じるか成長と感じるかで判断してください。店長・マネージャー職の求人から、実際の条件を見てみてください。
3つか4つの求人を、同じ項目で並べてください。基本給、固定残業代の有無、歩合の基準、材料費の負担、社会保険、年間休日。
並べると、額面の大小だけでは決まらないことが分かります。比較する項目を先に決めておくと、印象に流されません。
条件を比べるときは、うまくいったときの額ではなく、うまくいかなかったときの額を見てください。指名が付かなかった月に、いくら入るか。体調を崩して休んだ月に、いくら入るか。
下限が生活費を下回る働き方は、長続きしません。休んだ月の収入は病気やけがで働けなくなったときにまとめています。
まず、いまの給与明細を出して、額面と手取りの差を確認してください。次に、材料費として自分が払っている額を1か月分数えます。
その2つを足した数字が、比較の基準になります。その基準を持って、社会保険完備の求人を並べてみてください。
同じ「月給25万円」でも、中身が違うことが分かります。
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制度や手続きの詳細は改定されることがあります。実際の判断は、各機関の最新の案内や 専門家へのご相談とあわせてご確認ください。
条件を確かめながら、実際の求人を見てみましょう。
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段階によって大きく異なるため、一括りにはできません。「低い」と言われるのは主にアシスタント期の話で、この時期は売上を直接作れないため固定給が中心になります。指名が付いた後は歩合の比重が増え、差が開きます。
店によって2年から5年程度と幅があります。面接で「デビューまで平均何年ですか」と「直近でデビューした方は何年目でしたか」の両方を聞いてください。平均だけでなく直近の実績を聞くと、制度が動いているか分かります。
なりません。社会保険料と税金が引かれるため、おおむね額面の8割前後が手取りの目安です。月給25万円なら手取りは20万円前後という見当になります。
多くの応募者に提示されるのは下限に近い額です。上限は指名の多いスタイリストや役職者を含めた幅です。面接で「自分の経験だと、いくらからのスタートですか」と具体的に聞いてください。
制度があるだけでは判断できません。対象(総売上か指名売上か)、基準額、率の3つが揃って初めて計算できます。さらに「その基準を超えている方は今何人いますか」と聞いてください。達成者がいなければ実質的に固定給と同じです。
材料費の負担と社会保険の有無が主な理由です。カラー剤やパーマ液を自己負担する店では月に数万円が出ていくことがあります。社会保険の会社負担分も実質的な収入にあたります。
上限は外れますが、下限の保証もなくなります。売上から席料と材料費を引いた残りが取り分で、そこから国民健康保険と国民年金を払い、確定申告も必要になります。売上ではなく経費を引いた後の額で比べてください。
方法は3つです。今の職場で指名を増やすか役職に就く、歩合の設計がよい店へ移る、業務委託や面貸しに働き方を変える。最も確実なのは指名を増やすことで、これはどの店でも通用します。
「昇給あり」の記載だけでは金額が分かりません。「昇給は年に何回ですか」「直近の昇給額はどのくらいでしたか」と実績を聞いてください。賞与も同じで、記載だけでは月数が分かりません。
うまくいったときの額ではなく、うまくいかなかった月の額を見てください。指名が付かなかった月や体調を崩して休んだ月にいくら入るか。下限が生活費を下回る働き方は長続きしません。